【データ分析/守備編】セーブ、失点、被シュートが物語る堅守 “表裏一体”で起きた現象
鬼木監督が称賛したピンチでの対応 「ああいうプレーを続けているのが大事」
エドゥアルドが抜かれた後、自分のミスではなく、味方のミスながら、猛然と自陣にダッシュする谷口の姿があったのである。あのピンチの場面、谷口自身はアダイウトンに追いつかず、シュートブロックにも間に合っていない。しかし、最後まで諦めない姿勢を強調するところが鬼木監督の求める守備なのである。
「あの場面でも最後にしっかりと戻ってくる。そういう細かいところがあるから、ソンリョンの良いプレーが出た。ショウゴが一生懸命戻ったり、ああいうプレーを続けているのが大事だと思っている。もちろん、ああいう(ピンチの)形はこの先もある。ただ、そういう時に諦めずに戻る。そういう姿勢を貫くことが大事」(鬼木監督)
あの場面を尋ねると、谷口自身もアダイウトンに追いつけると思っていなかったという。しかし彼が口にしているのは、まさに「姿勢」の部分だった。
「監督から言われたのは、『最後の最後まで守る人がいるのだから、何が起こるか分からない。最後の最後まで追う、戻るとか、そういうことをやらなくてはいけない』ということ。それは約束というか、抜け出されようが最後の最後まで、というのは徹底しないといけない」(谷口)
そして第2節湘南ベルマーレ戦でも同様の場面があった。1-1で迎えた後半44分、ボールロストからカウンターの形となり、相手FW野田隆之介にDF奈良竜樹が振り切られて独走を許す。湘南はカウンターの出足が早く、すでに後方から何人かの選手がゴール前に走り込んでいる状態だった。