3度の骨折を乗り越えた悲運の怪物 FC東京・平山が1年ぶりの復活
「これが人生だな」悟りの境地後に3度目の骨折
「すごく疲れた。けがをした最初の数カ月は、もう仕方がないと思っていましたけど、なかなか治らなかったり、すぐに負傷してまた練習を外れたりということが続いた。復帰後、あそこでけがしてなかったらと思ったりもした。もう2回目の時は、深く考えないようにした。何も思わなかったというか、これが人生だなと」
一度は悟りの境地に達したが、艱難(かんなん)辛苦のサッカー人生は、これで終わらない。昨季は徐々に復調を遂げ、マッシモ・フィッカデンティ新監督からも高い評価を受けていた。指揮官がチームの主軸に据えようとしたところで真夏の浦和戦で負傷退場となった。その後、右足内果骨折と診断され、さらに約1年のリハビリ生活を強いられた。
輝ける将来を嘱望された、かつての怪物ストライカーは今年、30歳になった。フィッカデンティ監督も「この1週間は良い状態だった」と言い、遠征メンバーの中に彼の名前を加えた。
復活を目指す怪物が再び観衆の前に立つ。06年の加入以降、紆余(うよ)曲折を経てピッチに向かう平山を後押しするようにFC東京のサポーターは常に大歓声を送ってきた。29日の清水戦。彼を向かい入れるゴール裏の歌唄いたちの声は、一層大きなものになるはずだ。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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