ドイツ代表DFが自身の名を冠した雑誌を創刊 人種差別について持論を展開
ボアテングが自身の体験を告白 「猿のチャントはしょっちゅう聞こえてくるよ」
バイエルンに所属するドイツ代表DFジェローム・ボアテングが、自身の名を冠したライフスタイルマガジン「BOA」を出版し、創刊号のロングインタビューで人種差別などについて語っている。ドイツメディア「SPORT BUZZER」が報じた。
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ドイツ人の母親とガーナ人の父親を持つボアテングは、「ピッチの周りでウォーミングアップをしていると、スタンドから観客が猿のチャントをしているのがしょっちゅう聞こえてくる。ドイツ代表として、これだけ多くの試合をしているのにね」と、自身に向けられる人種差別について残念がる。
ボアテングは子どもの頃からこうした問題に直面してきたという。同誌のインタビューでも「両親が長い間、肌の色について話してこなかったことは問題ではなかったけど、ある日誰かから『小さなニガーちゃん』と呼ばれたんだ。それで両親から、肌の色を問題にする人がいることを聞かされた。信じられなかった。子どもには全く意味が分からなかった」と当時を振り返っている。
こうした経験をしてきたからこそ、ボアテングは人種差別という問題に対し世間に向けて声を上げているが、そこには「右派的な主張が社会に広まってしまったら、誰かが立ち上がり、立場を表明する必要があるのではないか」との思いがあるのだという。
「サッカー選手は多くの注目を集める。ここ数年、僕は多くの人々にとってメッセンジャーという立場にあるのではないかと、強く思うようになってきた」
守備の重鎮としてバイエルンでもドイツ代表でも存在感を見せるボアテングは、今夏のロシア・ワールドカップに3大会連続出場。チームが史上初の1次リーグ敗退の屈辱を味わった後、トルコ系移民3世のMFメスト・エジルが人種差別などを理由に代表引退を表明した際には、大半のチームメートが沈黙するなかでボアテングだけは擁護していた。
今年9月で30歳となった屈強なセンターバックは、世間から大きな注目を集めるプロサッカー選手の一人として、ピッチ外でも声を上げていく覚悟のようだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)