窮地のG大阪を変えた宮本監督の“言葉力” 「本来の自分たち」を引き出し怒涛の7連勝

来季も見据えて「もちろん、残りの3試合も全て勝つつもり」

 その要因として挙げられるのは、宮本監督がG大阪のチームカラーをよく知る人物だということだ。OBとして現役時代にタイトルを何度も獲得した経験を持ち、指導者としてもU-23チームを率いてからの内部昇格だったため、個々の選手の特徴をよく知るという強みが存分に生かされたのは間違いない。

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「選手に最初のミーティングで言ったのは、本来の自分たちが持つ力をピッチで発揮すれば、好転するのは間違いないということ。そのためにはフィジカルコンディションを上げること、プレーの質の面で話せば細かいですが、攻撃におけるボールを動かすポジションなどの改善、守備の約束事やコンパクトにすることを改善するためのトレーニングを積むこと。みんなの意識が変わって、本来の自分たちはこうだったと思い出しながらやれている。それは今日の試合でも、たくさんあったと思っている」

 ルヴァン杯や天皇杯も含め、一昨季までG大阪はタイトル争いに絡んできた実績がある。対戦した浦和のオズワルド・オリヴェイラ監督も「選手の個々を見ても非常にクオリティーの高いチームだ」と表現していたように、そのメンバーが持つ力は決して低くない。後は、それをどう発揮させられるかという部分であり、OBとして結果を残してきた黄金期を知り、クラブに長年関わり続けてきた指揮官に交代したことは、本来持っている力を引き出すという点でプラスに働いた。

 前節終了時点で、浦和の目標は3位に浮上しての来季AFCチャンピオンズリーグ出場権獲得であり、G大阪は残留争いから抜け出すというものだった。しかし、試合が終わってみれば浦和との勝ち点差はわずかに「3」。それだけ今季のリーグ戦が混戦であるということと同時に、戦力が拮抗したなかで残したG大阪の7連勝が、価値あるものだということを示していると言えるだろう。

 宮本監督は残留をほぼ手中にしたなかでも、「もちろん、残りの3試合も全て勝つつもり」と言い切った。来季以降に向けてチームを成長させていくこともテーマになるシーズン最終盤で、G大阪はどこまでこの勢いを維持できるだろうか。

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