プレミアリーグはアウェーの方が有利!? 戦力格差減少が生み出した逆転現象

開幕からホームゲーム勝利は6クラブのみ

 イングランド・プレミアリーグは、すでに第3節を消化した。一昨季の王者マンチェスター・シティが覇権奪還を目指し、20チーム中唯一となる開幕3連勝を飾った。ディフェンディングチャンピオンのチェルシーが1勝1敗1分とつまずく中、岡崎慎司が加入したレスターが2勝1分の好スタートを切るなどさまざまな驚きを与えている。
 
 そんな中、イングランドではある傾向が顕著になってきているようだ。衛星放送局「スカイ・スポーツ」によると、イングランドサッカー界では年々、ホームの勝率が下がっているという。慣れ親しんだピッチ、多くのサポーターによる大声援を背に受けて戦えるホームゲームは、チームに利益をもたらすように感じる。だが、近年はホームでの勝率が減少傾向にあり、どうやら今季もその傾向が続いていきそうだと報じている。
 
 今季、すでに30試合が行われた中、ホームチームが勝利したのはわずか6試合で、マンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッド、リバプール、レスター、クリスタル・パレス、スウォンジーの6クラブが白星を挙げたのみとなっている。昨季も30試合を終えた同時期で、ホームチームの勝利は9と少ないものだったが、今季の6試合というのは1992年のプレミアリーグ創設以来最も少ない記録となった。
 
 また、リポートでは1888年のフットボール・リーグ創設以来、全てのプロフェッショナルのカテゴリーにおける年間のホームチーム勝利、アウェーチームの勝利、引き分けの割合をグラフで紹介している。創設当時はホームでの勝率が全体の60パーセント近い数字を記録していたが、以降は65パーセントをピークに減少傾向。1950年に53パーセントまで落ち込み、3季前の2012-13シーズンには過去最低となる42パーセントを記録した。
 
 これに合わせ、アウェーチームの勝率も上昇中。リーグ創設当初は25%ほどだったものが、昨季はこれが31パーセントまで上がっている。
 昨季チェルシーはリーグ戦3敗すべてアウェーで喫し、ホームで無敗と本拠地で無類の強さを見せているという例もある。それでも、莫大(ばくだい)なテレビ放映権料による収入の増加で下位クラブでも豊富な補強費を手にすることができるプレミアリーグでは、中位以下のクラブにも代表クラスがズラリと顔をそろえる。これにより、各クラブの戦力格差は徐々に小さくなっている。こうした背景の元、地の利が及ぼす影響が小さくなるという傾向は継続していくのだろうか。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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