「世界でも対等に戦えるレベルへ」 U-15日本代表、強豪フランス戦で見えた課題と収穫
劣悪なピッチコンディションや天候への「対応力」は今後の課題
凹凸の激しいピッチではテクニックの正確さが出にくく、また雨で滑る芝では、敏捷性も生かしにくい。日本の持ち味を発揮しづらい状況下だったが、同点弾を決めた下川は、「僕たちは日本で良い環境でサッカーをしていて、海外に来たらでこぼこなグラウンドで、しかも今日は雨も降っていた。滑ったり、緩かったりして、ボールを保持したいところでそれができなかった。こういうピッチでの対応力がまだまだなかった」と反省した。
また、10番のMF山根陸(横浜F・マリノスJrユース)も、キャプテンらしく冷静に課題を挙げる。
「ボールを奪いにくる迫力や技術、こういうグラウンドでのプレー、全ての面においてフランスのほうが自分たちよりも一枚上手でした。ピッチコンディションとか、雨が降っていて芝の状態もアップだけで分からない。そういった状況はアジア予選でもありましたし、言い訳にはできない。『自分たちのやるべきことをやる』という意思統一といったものを、自分が中心となってみんなに伝えていくべきだと思う」
ぬかるんで滑る芝は両チームにとって同じ条件。日本の選手たちもアジリティーや直線スピードでは負けていない。差が見えたのは、デュエルになった時の一歩目の加速だ。この一瞬の瞬発力においては、フランスの選手たちには段違いスピードがあった。
しかし大会初戦のオーストリア戦に続き、フランス戦でも相手のプレッシャーやピッチコンディションに時間の経過とともに順応し、徐々に自分たちのゲームを出す対応力は見せた。