森﨑和幸の引退に戦友ミキッチは何を思う? “JリーグナンバーワンMF”に込めた敬意
「カズの人生の成功を祈っているし、彼が決断した道は必ず成功へとつながっている」
森﨑を苦しめたのが、2006年から断続的に続いた難病「慢性疲労症候群」だ。原因不明の強度の疲労や倦怠感が長期間にわたって継続する病気とされている。症状は様々だが、森﨑は他人には普段と変わらない様子に見えながら、気持ちが沈み込むと同時に、動けないほど強い疲労感を感じて、全身が倦怠感に襲われた。ミキッチが加入した2009年は2度目の発症の時期で、翌年の3度目も含めて、その壮絶な戦いを間近で目の当たりにしてきた。ミキッチは「これは個人的な見解ですが…」と前置きして思いを綴る。
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「カズが病気と戦っていたということを、周りが理解してあげるのがすごく重要です。とても苦しかったと思います。自分に厳しい人、人に対して優しい人がなりやすい病気かな、と。でも、カズはしっかりと病気と向き合って、克服して、プレーしてきた。彼のように同じ病気で苦しむ人がいるかもしれないし、これから出てくるかもしれない。そういった選手に対して、カズがアドバイスできることもあるでしょう。何度も復活した彼の存在は、サッカー界に光を照らすと思います」
年上の自分よりも先に引退する後輩との“ピッチでの別れ”を惜しみつつ、ミキッチは第二の人生を歩み出す森﨑にエールを送る。
「カズがいなくなることがとても寂しいです。でも、これからの彼の人生の成功を祈っているし、彼が決断した道は必ず成功へとつながっている。新たな喜びや幸せをつかみ取るだろうと確信しています」
苦楽をともにした仲だからこそ、言葉を交わさずとも思いを巡らせることができるのだろう。現役を引退しても、ミキッチの心には戦友・森﨑の存在がいつまでも深く刻まれているに違いない。
(FOOTBALL ZONE編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)