U-15日本代表MF中井卓大、“緊急デビュー”の舞台裏 「もう少しほしい」ものとは?
「スペースにラストパスを出したり、チームを落ち着かせるプレーヤー」を見事に体現
この試合でのポジションは、負傷退場した遠山がプレーしていた4-4-2の右ボランチだった。
「今日は4-4-2のアンカーだったですけど、レアルでは4-3-3の右のトップ下(インサイドハーフ)なんです。なのでもう少し上がってディフェンスをもっと前からやっているんですけど、今日は4-4-2で二人しかいなかったので、スペースを埋めながらバランスをとってやっていました」
中井は自らの特徴を「ドリブルして相手をひきつけて、スペースにラストパスを出したり、チームを落ち着かせるプレーヤー」と描写する。
前半戦終了直前という絶好のタイミングで決まった日本代表の先制点は、まさにそんなゴールだった。右サイドで中井がドリブルで仕掛け、そこからMF豊田晃大(名古屋グランパスU-15)にパス。豊田はシュートに行くかと思わせるアクションを入れて相手DFを引きつけながら、瞬時にゴール前のFW勝島新之助(京都サンガF.C.U-15)につなぎ、勝島が自ら「得意だ」と言う“振り向きざまシュート”でネットを揺らした。
仲間から預けられたボールを的確に捌いてゲームを落ち着かせるという中井の持ち味も発揮され、デュエルで相手を制するシーンも。後半には、後方からのパスを受けて右足でダイレクトシュートを打ち込んだが、これは惜しくも枠を外れてサイドネットを直撃した。
「今日は初戦だったので、芝生もどんなのか分からなくて、ちょっと詰まって取られるところもあったんですけど、次のフランス戦も頑張ってやりたいです」。