いまだ残るスアレスへの禍根 ベンゲルが主力離脱のリバプールに「同情しない」

13年にエース獲得を拒否された恨み節

 アーセン・ベンゲル監督率いるアーセナルは、24日にプレミアリーグ第3節でリバプールと対戦する。そのリバプールは昨季ルイス・スアレス(バルセロナ)、今季ラヒーム・スターリング(マンチェスター・シティ)と2シーズン連続でFWの中心選手を放出し、攻撃ユニットの再編を迫られている。しかし、アーセナルでの20年目のシーズンを迎えるフランス人指揮官は、かつてスアレス獲得のオファーを拒否されていた過去をふまえながら「同情はしない」と語った。英衛星放送局「スカイ・スポーツ」が報じている。
 アーセナルは2013年にリバプールからスアレスの獲得を目指していた。当時の違約金は4000万ポンド(約76億円)に設定されていたことから、アーセナルが4000万ポンドに1ポンド(約190円)を加えたオファーを送った逸話も話題となった。結局スアレスはリバプールに残留。その後、2013-14シーズンにリーグ戦31ゴールを挙げ、得点王となるなど大活躍した。残留の影にはスティーブン・ジェラード(LAギャラクシー)の説得があったとも言われているが、ベンゲル監督は当時の経緯を根に持っているようだ。
「リバプールは(選手の移籍について)自分たちで判断を下すことができるはずだ。彼らはスアレスを売ることは拒んだ。彼らにはシンパシー(同情)を感じない」
 そして、リバプールはこの夏、新たにベルギー代表FWクリスティアン・ベンテケを獲得している。前所属のアストン・ビラではプレミア初挑戦から3シーズン連続2桁得点を記録する高い決定力を備えている。しかし、ベンゲル監督はベンテケ封じが勝利の鍵となると分析している。
「ベンテケとは去年のFAカップで対戦している。そこではうまく抑えることができた。すべての試合が新たなチャレンジになることは分かっている。もう一度、彼を抑えることができると証明しなくてはいけない。彼は(オリビエ・)ジルーと似ている。彼らは彼を生かすためにクロスボールを使ってくるはずだ。両チームに共に、エリア内へのクロスは相手の脅威となるだろう」
 スアレスはすでにバルセロナに去った。優勝を狙う強豪同士は過去の禍根を燃料にし、フィールド上で火花を散らす。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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