U-19代表主将、“湘南魂”を胸に世界切符獲得へ ルヴァン杯初優勝で「闘う姿勢」再確認

U-19日本代表MF齊藤未月【写真:ⒸAFC】
U-19日本代表MF齊藤未月【写真:ⒸAFC】

インドネシアとの“完全アウェー”の大一番、勝てばU-20W杯出場権獲得 キャプテン齊藤が意気込み

 インドネシアで行われているU-19アジア選手権も、28日にいよいよ準々決勝を迎える。影山雅永監督が率いるU-19日本代表は、開催国インドネシアと激突するこの一戦に、来年ポーランドで開催されるU-20ワールドカップ(W杯)出場の切符を懸ける。

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 アジア大会のメイン会場になった首都ジャカルタのゲロラ・ブン・カルノ・スタジアムには、7万人の観衆が押し寄せることが予想される。いわゆる“完全アウェー”だ。しかし、その状況にも真っ向から挑もうとしている選手がいる。キャプテンのMF齊藤未月だ。

 湘南ベルマーレに所属するボランチは、クラブの同僚であるDF石原広教とともにU-19代表メンバーに名を連ねているが、「ベルマーレの代表として来てますし、日本の代表を背負っているので、そこは臆せずやりたい」と語り、戦う姿勢を前面に押し出してグループリーグ突破に貢献した。

 その齊藤に、所属する湘南のルヴァン杯優勝という朗報が届いた。

「優勝してくれたのは本当に嬉しいですし、あっちは優勝で終わってくれたので、代表のことだけに集中したい」

 そう語る齊藤だが、改めて認識したのが湘南の球際で負けない強さ、そして何より戦う姿勢だ。「ああいうプレーを見せてくれた分、僕もやっぱり球際の部分や戦う部分は誰よりもやらないといけない。そこは自分の特徴だと思ってますし、誰にも負けないようにしたい」と意気込みを語る。

 影山監督は大会前から「上手いチームではなく強いチーム」をコンセプトに掲げてきた。もちろん、FW久保建英(横浜F・マリノス)、MF安部裕葵(鹿島アントラーズ)、FW斉藤光毅(横浜FCユース)、MF藤本寛也(東京ヴェルディ)、FW宮代大聖(川崎フロンターレU-18)など将来を嘱望されるテクニシャンを揃え、ここまで3試合で13得点という決定力は強みだが、まず戦えなければ試合に使われないという雰囲気はチームに浸透している。

 それでも多感な年代のチームは、メンタルの浮き沈みや時に集中力を欠いてしまうこともある。そうしたメンバーをまとめられる存在として、影山監督は齊藤にキャプテンマークを託した。開幕時はコンディションに不安があり「70%ぐらいですかね」と語っていた齊藤だが、大一番に向けて上げてきており、インドネシア戦では戦術面でも精神面でもキーマンになりそうだ。

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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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