敗北を許さない男の異変 今季勝ち星なしのモウリーニョ「負けても大丈夫」

過去2戦勝ち星なしのピューリス監督率いるWBA戦前に

 プレミアリーグ開幕から2試合で1分け1敗。勝ち点1という1998年シーズン以来の低調なスタートとなった王者チェルシー。選手や自身の出来に不満と話していたジョゼ・モウリーニョ監督だが、第3節ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン(WBA)戦を前に「負けても大丈夫」と負けず嫌いで鳴らすポルトガル人指揮官が珍しく弱気とも言えるコメントを残している。米ESPNが報じた。
 WBAを率いるのはモウリーニョの天敵トニー・ピューリス監督だ。昨季までの過去2年間で、リーグ戦わずか9敗しかしていなかったモウリーニョだが、そのうち2敗をこのピューリス監督相手に喫している。今季は第2節で早くもマンチェスター・シティに完敗しているチェルシーは難敵との対戦が続き、仮にこの試合も敗れれば第3節終了の時点で首位との勝ち点差が最大8まで開く可能性がある。それでも、このカリスマ指揮官は大混戦が繰り広げられるプレミアリーグでは、多少の敗戦も想定済みだと主張する。
「(WBA戦に敗れても)まだ平気だよ。イングランドではただの8ポイント差でも、他の国のでは80ポイントに感じられるだろうけどね。他のリーグでは8ポイント差はとてつもなく遠いもので、ポイントを落とすと非常に難しくなる。でもイングランドでは、多くのチームが勝ち点を奪い合うんだ」
 負けた場合の予防線にも響く発言がモウリーニョ監督の口から飛び出した。連覇を目指すチームは開幕2試合での不振からバルセロナからスペイン代表FWペドロを緊急補強に踏み切った。エバートンからイングランド代表DFジョン・ストーンズ獲得に58億円を提示していると報じられており、穏やかなオフを過ごしてきたチェルシーの移籍市場での動きは慌ただしさを増している。スペシャル・ワンの演出する、何とも余裕のコメントは王者の序盤の苦しみの表出かもしれない。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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