「オンリーワンのチーム」 梅崎司、“湘南スタイル”に魅せられた男が手にした充実感

「アグレッシブにプレスをかけて縦に速い攻撃を仕掛ける。そこには緻密さもある」

「残酷なことですけど、勝者と敗者がいて。僕らはこうやって優勝カップや(賞金が書かれた)ボードをいただけて、喜ぶことができた。マリノスさんはそれを下で眺めて。それを何度も経験していますし、勝った者にしか味わえない景色があって、それが素晴らしいものだと。チームの核としてプレーを続けられて、そのなかでタイトルを獲れた。本当に嬉しいですよ」

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 今季の梅崎は負傷を抱えた状態からスタートしていたが、奇しくもターニングポイントになったのが4月28日の古巣対決、埼スタで迎えた浦和戦だったのだという。そこから、今までに過ごしてきた日々が本当に充実したものであることを振り返りながら言葉をつないだ。

「レッズ戦が自分の中で今季のきっかけだった。もっとチームに貢献したい思いが強くなったし、過程を踏んでこられた。(湘南は)Jリーグでオンリーワンのチームだと思っているし、特に前半、あれだけアグレッシブにプレスをかけて縦に速い攻撃を仕掛ける。なかなかできるものではないけど、そこには緻密さもある。一人一人の距離感や意思統一がないと実行できないスタイル。それをシーズンのなかで、僕は一つ一つ学んできました。今はそれが自分のなかでしっかり理解ができて、先陣を切ってやるところまで理解できてきましたから」

 交代で退いた後の時間を「頼むぞという思い」で見守り、試合終了のホイッスルで歓喜の瞬間が訪れた。「サッカーを楽しくやれている時点で移籍して良かったとは思いますし、タイトルを獲ったらその気持ちが増すと思っていた。それを実現できて嬉しいですね」と話した梅崎は、湘南スタイルの先陣を切って駆け抜ける「7番」を完全に自分のものにした。

 模範的なプロフェッショナリズムと負傷による苦難の日々を乗り越えた強靭なメンタルの持ち主である梅崎が、チームに与えた影響とタイトルへの貢献度は大きなものがあるはずだ。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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