本田の新ライバルは指揮官のまな弟子 ミランが「ミニバラック」を13億円補強

バイエルンユース出身のサンプドリアMFソリアーノ

 ACミランの日本代表FW本田圭佑にとって、ライバルとなる存在が今季セリエA開幕直前にやってくることが決まった。イタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」は、サンプドリアMFロベルト・ソリアーノのミラン移籍がクラブ間合意に達したと報じている。
 条件はミランの元イタリア代表MFアントニオ・ノチェリーノにプラスして1000万ユーロ(約13億5000万円)をサンプドリアに支払うというもの。両クラブ間で条件に合意し、22日にミランのアドリアーノ・ガリアーニCEOとサンプドリアのマッシモ・フェレーロ会長が直接会談で詳細をまとめるとしている。
 ソリアーノは昨季、サンプドリアでミランのシニシャ・ミハイロビッチ監督の指導を受けていた。ソリアーノ獲得に関してはミランのシルビオ・ベルルスコーニ会長が難色を示していたとも伝えられていたが、まな弟子のソリアーノ獲得を望むミハイロビッチ監督が、本田が1得点1アシストと活躍したイタリア杯3回戦ペルージャ戦後にベルルスコーニ会長とガリアーニCEOと三者会談を持ち、名物オーナーを強硬に説得。まさに、監督の肝いりで、まな弟子がやってくることが決まった。
 今季4-3-1-2システムを基本に戦うミハイロビッチ監督にてって、ソリアーノのポジションは左右のボランチ、もしくはトップ下と見られる。24歳と伸び盛りで、バイエルン・ミュンヘンのユースに所属していた当時には「小さなバラック」として将来を嘱望されてきた才能の持ち主だ。182センチと体格的にも優れている。
 ガゼッタ紙は「これでミランが作りたいケーキの土台はできた。あとは仕上げのために、パリ・サンジェルマンのイブラヒモビッチ獲得に全力を注ぐだろう」としている。ベルルスコーニ会長の悲願でもあるスウェーデン代表FWズラタン・イブラヒモビッチの獲得に執念を燃やしていると報じている。
 ミランの番記者たちの中には「ソリアーノが来ればトップ下に入る」と、本田とのレギュラー交代を予想する声もある。また、「イブラヒモビッチが帰ってくれば日本人ファンタジスタのスタメンは吹き飛んでしまう」とも報じられていた。23日に迎えるフィオレンティーナとの開幕戦では、ガゼッタ紙もトップ下で本田のスタメンを予想している。昨季16得点のFWメネズは腰痛再発で全治1カ月と診断されたが、指揮官から全幅の信頼を寄せられるまな弟子ソリアーノがやってくる。そして、カリスマ、イブラヒモビッチ復帰にもベルルスコーニ会長が執念を燃やしている。栄光の背番号「10」を託された本田だが、その立場はまだ盤石というわけにはいかない情勢だ。

【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

page 1/1

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング