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永久不滅の王子トッティ 来季契約延長決定的でローマ一筋25年に
会長明言「トッティが望む限り、我々と前進する」
そのプレースタイルは、技術と創造性にあふれるものであり、同時に強靱(きょうじん)な肉体とメンタルを誇る。今でも語り草になっているのが、2000年の欧州選手権準決勝でのオランダ戦。退場者を出したイタリアは必死の守備でPK戦に持ち込むと、トッティはこの大舞台でクッキアイオ(イタリア語でスプーンの意味)と呼ばれるチップキックでゴールを決めてみせた。同大会では決勝でフランスに敗れて準優勝に終わったが、06年のドイツワールドカップでは決勝で同じくフランスをPK戦の末に破り、世界の頂点に立っている。
そんなトッティだが、イタリア国内でのスクデット獲得は、元日本代表MF中田英寿氏も在籍した00-01シーズンの1回のみにとどまっている。UEFAチャンピオンズリーグの最年長得点記録(38歳と3日)こそ保持しているが、優勝はいまだにない。残されたチャンスも、そう多くはないかもしれない。
しかし、トッティにはもう一つの大きなモチベーションがある。1930年代から40年代に活躍したシルビオ・ピオラ氏が持つセリエA歴代最多得点の274点を超えることだ。現在のトッティは24シーズンで588試合出場243ゴールで単独2位。あと31得点は、今回の契約延長で2シーズンの期間がある中では、厳しくも不可能ではない数字だ。
ローマに君臨する永遠の王子トッティ。そのキャリアは終盤に差し掛かっているかもしれないが、22日のヴェローナ戦で開幕する今シーズンも色褪せない輝きをフィールドで放つに違いない。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images