中島翔哉の“移籍先”と日本代表の未来 香川&本田の例に見る理想の新天地とは?
ビッグクラブへの「ショーケース」に並べるか
中島の次の移籍先は、ビッグクラブへの「ショーケース」になる。香川のドルトムント、本田のCSKAにあたる。国内リーグの強豪でCL出場権のあるチームがいい。
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ただ、中島は香川以上に“チームを選ぶ”プレーヤーである。長所と短所がはっきりしていて、例えば中島に空中戦や守備力を求めるようなチームに行けば出場機会を失いかねない。とはいえ、プレーできればいいというわけでもない。チームが強く、安定していて、そのうえでプレースタイルも合っているところがベストだ。
オファーがあるかどうかは知らないが、例えばFCポルトやシャフタール・ドネツクは、中島にちょうど良いチームだと思う。国内リーグの強豪だが、活躍した選手を高値で売る方針だからだ。ポジション争いは厳しいけれども、どのみちここでレギュラーを取れなければ次のステップアップはない。どちらも左ワイドのポジションがあり、技巧派を起用している。
中島より若い堂安律も、フローニンゲン(オランダ)から移籍するタイミングは近いだろう。ショーケースに入ることが重要。年齢が若いのでクラブとしては投資価値が高く、いきなりビッグクラブという可能性もある。しかし、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)でほとんど起用されなかった宇佐美貴史の例もあるので、慎重さが必要だと思う。
南野拓実はすでにショーケースに入っている。ザルツブルク(オーストリア)でレギュラーポジションを確保すれば、自然と次の展望は開けるのではないか。
いずれにしても、いきなりビッグクラブよりもショーケースに入る方が無難。だが、ショーケースもそれゆえの難しさはもちろんある。若い才能を集めることに特化しているだけに、いきなりとんでもない化け物がライバルとして入ってくることもあるからだ。将来性豊かな3人のアタッカーにとっても、日本代表にとっても、今冬と来夏の移籍マーケットの動向は注目を集めるだろう。
(西部謙司 / Kenji Nishibe)
西部謙司
にしべ・けんじ/1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。