中島と堂安を輝かせる「45度の間合い」 “名ドリブラー”金田氏も唸るボールタッチの質
ウルグアイ戦で猛威を振るった両翼のプレーを、技術的な視点で解説
日本サッカー界が、新時代到来の予感に沸いている。16日に埼玉スタジアム2002で行われた国際親善試合のウルグアイ戦、今夏のロシア・ワールドカップ(W杯)8強、FIFAランキング5位の強豪を相手に、森保一監督率いる日本代表は一歩も引かなかった。
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トップ下の南野拓実(ザルツブルク)が3試合連続となる2ゴールを叩き込めば、FW大迫勇也(ブレーメン)が現体制初ゴール、MF堂安律(フローニンゲン)がA代表初得点をマークし、4-3という壮絶な打ち合いを制した。9月の森保体制初陣から3連勝という成績はもちろん、3戦10ゴールと攻撃陣が爆発。ホーム開催のフレンドリーマッチである点を差し引いても、特に今回のウルグアイ戦で見せたスピード感あふれるダイナミックな攻撃は、観る者を十分に魅了するものだった。
「日本にも、ついにこういう選手が現れてきたか、と。長い間、日本代表のゲームをチェックしてきたが、日本の選手が放った強烈なシュートを相手GKが弾き、そのこぼれ球に詰めて2ゴールを奪ったという試合は、近年では記憶にない」
ウルグアイ戦をそう振り返ったのは、元日本代表で現役時代は名ドリブラーとしてその名を轟かせた、サッカー解説者の金田喜稔氏だ。自身も卓越した技術を誇るサイドアタッカーとして活躍し、1977年6月の国際Aマッチデビュー戦でいきなり初ゴール。この時の19歳119日という記録は、日本代表の歴代最年少得点として40年以上が経った今も破られていない。
“新旧交代”を自ら体現した金田氏が、今回のウルグアイ戦で絶賛したのが、左サイドハーフを務めたMF中島翔哉(ポルティモネンセ)と、右サイドハーフの堂安だ。前述の「近年記憶にない」というゴールシーンは、1-1で迎えた前半36分にペナルティーエリア手前でパスを受けた中島が、巧みなタッチでシュートコースを作って右足を振り抜き、GKが弾いたところを大迫が決めた場面。そしてもう一つは3-2で迎えた後半21分、同じく敵陣ペナルティーエリア手前でこぼれ球に反応した堂安が、走り込みながら迷わずに左足ミドルを狙い、GKの跳ね返りを南野がダイレクトボレーで叩き込んだシーンだ。
「彼らのシュート意識の高さは、キックに対する圧倒的な技術と自信から生まれている。試合全体を見ても、シュートはほぼ枠に飛ぶ精度を誇っていた。あのレンジから迷わずに狙える選手が日本に出てきたのは、凄いことだ」