ウルグアイ戦で露呈した“二面性” 英記者が指摘する森保ジャパンの不安要素とは?
4ゴールを奪って南米の強豪を撃破した一方、守備陣は不安定なプレーで3失点を喫する
日本代表は、16日の国際親善試合ウルグアイ戦で4-3と乱打戦を制し、森保一監督新体制3連勝を飾った。ロシア・ワールドカップ(W杯)でベスト16に入った日本の欧州組の主力も合流し、2022年カタールW杯へ向かう第一歩を踏みしめた森保ジャパンの3試合目。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、W杯を6大会連続で取材した英国人記者マイケル・チャーチ氏はどのように見たのか。
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森保ジャパンはウルグアイ戦で“二面性”を示した。攻撃面では非の打ちどころがない素晴らしいゲームだったが、大いなる収穫の一方で、ネガティブな部分を指摘せざるを得ない。あまりに不安定だった守備だ。
エースのFWルイス・スアレス(バルセロナ)を欠いていたウルグアイだが、日本の最終ラインにいとも簡単に問題を引き起こした。12日のパナマ戦(3-0)で欠場したDF吉田麻也(サウサンプトン)はいつものセンターバックの中心に戻った。当の吉田も不安定だったが、彼はロシアW杯のパートナーだったDF昌子源(鹿島アントラーズ)の存在を心から切望したのではないか。
南米の強豪撃破に沸く森保ジャパンで、歓喜の高揚感に酔いしれることができなかったのがガンバ大阪の二人だろう。
A代表通算4試合目となったDF三浦弦太にとって酷い夜だった。後半12分、ウルグアイ代表FWエディンソン・カバーニ(パリ・サンジェルマン)にゴールのギフトを送り、2-2の同点にされてしまった。90分を通しても、危険なチーム相手に満足できるパフォーマンスでもなかった。
守護神の東口順昭もまた不安定だった。ペナルティーエリア内で存在感を示すことができず、特にセットプレーではワールドクラスのGKなら冷静さと自信をチームに与えるような場面で不安定さをのぞかせていた。
ウルグアイ戦は攻撃陣が4ゴールを記録したが、今回はフレンドリーマッチだ。相手は韓国にも1-2で負けたばかりで、本気度はうかがい知れない。森保監督は最終ラインの修正にどんな解決策を持っているのか。ロシアW杯で素晴らしいプレーを見せてくれた昌子の復活を待たなければいけないのか。この2試合ではまだ見えてこない。
(マイケル・チャーチ/Michael Church)
マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。