中島ら“新世代トリオ”の「感性とリズム」に脱帽! 日本代表「ウルグアイ戦出場選手」を金田喜稔が査定
長友と酒井は「以前よりも守備に集中できる環境」
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■吉田麻也(サウサンプトン)=○
今季のサウサンプトンであまり試合に出られず、追いつめられたところもあるなか、ゲームへの入り方、1対1の応対の仕方、体のぶつけ方など落ち着いてディフェンスラインをコントロールしていた。もちろん、3点を取られたので良いところばかりだったとは言い切れないが、安定感、1対1の対応能力、高さという個の出来は評価したい。また個人評価ではないが、右のCBだったW杯とは違い、左CBを務めた点には森保監督がベルギー戦の失点シーンを踏まえて対策を考えているのかもしれない。あの試合、ベルギーは右SB酒井の前からアーリークロスを上げ、高さのない逆サイドの左SB長友を狙ってきた。高さ対策という意味で、今後も吉田を左CBに置く並びは試していくのかもしれない。
■三浦弦太(G大阪)=△
後半に喫した2失点目の要因となる痛恨のミスを犯した。失点に直結するバックパスのミスだっただけに、評価は下げざるを得ない。ただ、あれはカバーニの位置を確認しなかったという本当に単純なミスであり、引きずるものではない。アジアカップに向けて、誰が吉田のパートナーを務めることになるのか。11月に招集されれば、そこが正念場になる。
■酒井宏樹(マルセイユ)=○
攻守においてプレーに余裕があり、攻撃は前の堂安に任せておけばいいと、以前よりもディフェンスに集中できているように見えた。攻撃に厚みを持たせるため、オーバーラップして数的優位を作るという概念が今までの日本代表では基本となっていたが、今後はあまり求められなくなるのかもしれない。堂安のゴールを導いたアシストも落ち着いていた。
■長友佑都(ガラタサライ)=○
前にいる中島のプレーを、後ろから楽しそうに見ていた印象。右の酒井と同様、無理して上がらなくても中島がやってくれる。ディフェンスに集中できる環境なら、32歳とはいえ、長友のフィジカルならまだまだできる。裏返せば、その安定した守備力が、左サイドハーフの中島を輝かせているとも言える。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。