中島ら“新世代トリオ”の「感性とリズム」に脱帽! 日本代表「ウルグアイ戦出場選手」を金田喜稔が査定
持ち味を出せなかった柴崎は「彼自身が良くないというより…」
■南野拓実(ザルツブルク)=◎
ウルグアイのセンターバックを嘲笑うかのような、右足インフロントでのファーストタッチで軸足の後ろにボールを通して反転し、シュートフェイントで一人を置き去りにして右足を一閃。シュートは相手GKの足に当たったとはいえ、1点目につながる一連のテクニックとイメージは素晴らしかった。試合全体を見れば、簡単にボールを失ってしまう場面や消える時間帯、状況判断のミスによって持ちすぎてボールを取られるシーンもあったが、ウルグアイから2ゴールを奪うのは見事というほかない。
■堂安 律(フローニンゲン)=◎
所属クラブでも少し得点から離れていて、パナマ戦の終盤に途中出場した時もミスばかりと、少しパフォーマンスを落としている印象があったが、ウルグアイを相手に持ち味を存分に発揮した。得点シーンでは酒井とのワンツーから、狭いエリアで左足のアウトサイドで自分の得意な位置にボールを置いてから逆サイドへシュートを決めきった。南野の2点目を引き出した強烈なミドルシュートも見事。卓越したボールタッチ、シュート精度とも世界と張り合えるレベルだ。
■柴崎 岳(ヘタフェ/→後半29分OUT)= △
パスを散らした後に、前でもう一度絡むというのがロシアW杯で見せた柴崎の良さだったが、そうしたプレーが必要ないというほどの勢いを、2列目の3人に見せられた印象だ。彼自身が良くないというより、前の若手3人に圧倒されて自らの良さが引き出せなかった、味方のプレーに度肝を抜かれ、メンタル的に追い込まれてしまうというのはサッカーの試合では起こること。もちろん、ヘタフェで試合に出られていないことで、コンディションや試合勘が鈍っていたことも事実だ。
■遠藤 航(シント=トロイデン)=◎
攻撃は前に任せて、その後方でピンチの芽を摘む部分で持ち味を見せた。9月のコスタリカ戦で素晴らしいプレーを見せ、その後も所属クラブで同じポジションでレギュラーとしてプレーできているという自信も見えた。2列目の中島や南野はリオ五輪でともに戦った仲。知り尽くした間柄だからこそ連携もスムーズだった。チームとして3失点しているものの、中盤での潰しとディレイ、守備への切り替えの早さなど、個のパフォーマンスには充実ぶりが窺えた。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。