ミラン監督激怒 本田ライバルが今季初公式戦で味方サポにブーイング受ける

「チェルチはしなければいけないことをしただけ」

 ACミランのシニシャ・ミハイロビッチ監督が17日の本拠地で行われたイタリア杯3回戦ペルージャ戦で後半途中出場したイタリア代表FWアレッシオ・チェルチに対する観衆のブーイングに激怒した。
 ホームスタジアムのサンシーロで行われた、ミラン監督としての公式戦初陣を勝利で飾ったミハイロビッチ監督だが、試合後イタリア国営放送「RAIスポーツ」のインタビューに登場すると、言葉に怒気を含んでいた。
「選手へブーイングはするべきではない。受け入れられない。今日はいい試合をしたが、2-0になってからの試合運びは気に入っていない」
 セリエBを戦う格下相手にのゲーム、ミランはトップ下で先発した日本代表FW本田圭佑の1得点1アシストでリードしたが、その後チームは攻めあぐねた。後半半ばに退場者を出して10人になったペルージャを相手に追加点を奪えないゲームになった。すると、2年連続の欧州のカップ戦出場権喪失という悲しいシーズンを経験したスタンドのサポーターはブーイングを開始。後半35分に途中出場したイタリア代表MFアレッシオ・チェルチには、特に厳しい罵声が浴びせられた。
「これは唯一のネガティブなこと。ミランの選手をなぜブーイングできるのかわからない。スタジアムに来るなら、応援しなければならない。試合の後ならブーイングしてもいい。今日のことは受け入れられない。選手たちはすべてをこのユニフォームに託していた」
 本田とポジションを争うライバルにスタンドから飛び出したブーイングに、指揮官は激怒していた。チェルチは1月の移籍市場で元スペイン代表FWフェルナンド・トーレスとトレードでアトレチコ・マドリードから加入。奔放なウインガーは出場機会や起用法を巡り、フィリッポ・インザーギ前監督と対立するなど、問題行動もあった。
 そんなイタリア代表に対する批判の声に、指揮官は試合後の記者会見で選手を擁護した。
「チェルチはしなければならないことをしただけ。ミランのサポーターがミランの選手にブーイングするなんて、これは受け入れられない。サポーターは不満なら試合の後、ブーイングできる。ミランの選手にブーイングはできない。敬意を持たれているからだ」
 現役時代はFKの世界的名手として鳴らし、指揮官としては鬼軍曹と呼ばれるミハイロビッチ監督は今季初の公式戦で罵声を浴びた選手をかばい、サポーターに苦言を呈していた。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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