敵将同士の勝負を超えた「サッカー愛」 サッリが明かした試合中のクロップとの会話
ピッチサイドでサッリ監督とクロップ監督が会話 「なぜ笑っているんだい?」
現在プレミアリーグで6勝2分の2位と好調のチェルシーは、先月29日の第7節でリバプールとホームで対戦。無敗同士の激突となった一戦は1-1のドローで終えたが、この試合でチェルシーのマウリツィオ・サッリ監督とリバプールのユルゲン・クロップ監督がピッチサイドで笑顔で話をする様子が捉えられていた。そして、その会話の内容をサッリ監督が明かしたと、イタリア紙「コリエレ・デロ・スポルト」が報じている。
試合は前半25分、ベルギー代表MFエデン・アザールが鮮やかなパスワークから最終ラインの背後に飛び出し、左足でシュートを決めてチェルシーが先制。だが、後半44分にリバプールのイングランド代表FWダニエル・スターリッジがペナルティーアーク左後方から完璧な軌道を描くビューティフルゴールを叩き込み、痛み分けとなった。
サッリ監督は同紙のインタビューで、「最後の最後、アディショナルタイム5分前に失点したとしても、すべての後悔を横に置くべきだと思わせるような、とてつもなくスペクタクルな瞬間がある」と述べ、当時の状況を明かした。
「あれは素晴らしいショーだったよ。(スターリッジのゴールの)ちょうど10分ほど前に、クロップが私の方を見ているのに気がついたんだ。私が『なぜ笑っているんだい?』と聞いたら、彼は『君は楽しくないのかい?』と言ったんだ。だから、私が『とてもね』と言ったら、彼はその時、負けていたのに『私もだよ』と答えたんだ」
そして、スターリッジの同点弾が決まった後、同監督は「あの瞬間を覚えているよ。昔の良い友だちみたいに、私たちはハグをしたんだ。もしリバプールが負けていたとしても、彼は同じことをしたと思うよ。プレミアリーグには、“サッカーをする喜び”があるんだ」と話した。
二人の名将の、純粋な“サッカー愛”を垣間見た瞬間だった。
(FOOTBALL ZONE編集部)