元日本代表DF鈴木大輔が見たかつての“鬼門”スペイン 乾&柴崎が輝きを放った要因は?
「若い選手はどんどん海外に行くべき。決して戻って来ることはマイナスではない」
現代サッカー界においては、日本人選手が海外に飛び出すことは珍しくなくなった。欧州に目を向ければ、日本代表MF堂安律(フローニンゲン/オランダ)やFW伊藤達哉(ハンブルガーSV/ドイツ2部)ら1997年以降に生まれた東京五輪世代が若くして異国の地で戦っている。26歳でスペインに渡った鈴木は、若手の挑戦にエールを送る。
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「若い選手が海外に出るのは良いこと。彼らがいろいろなサッカー観を持ってきて、代表が成長していくと思うので。1部リーグがもちろん理想だし、何を目的にするか次第ですが、例えばスペイン2部は世界的に知られていなくてもギラギラしてレベルの高い選手がたくさんいて競争が激しいし、ヨーロッパでも勝負する価値がある。どんどん海外に行くべきだし、海外から日本に来るべきです。決して戻って来ることはマイナスではないと思います」
今回、鈴木はスペイン1部への移籍を模索した結果、なかなか新天地が決まらず、Jリーグに復帰する決断に至った。海外に渡った意義を「人としての成長に尽きる」と語る男は、将来的な海外再挑戦に静かに意欲を燃やす。
「僕はサッカー選手としてのキャリアを伸ばしたくて海外に行ったわけではなく、一人の人間として成長するために、という思いが強かった。スペイン2部というJ1よりも過酷な環境のなかでプレーできたというのは良い経験だったと思います。
スペインでは言葉を覚え始めて、2年半でだいぶコミュニケーションをとれるようになりました。彼らの文化や教育的な側面も少しずつ理解できるようになって、それをもう少し自分に落とし込みたかったのが本音です。より深い話ができて、各国の猛者が集まっているのがスペイン1部だと思うので、今後もチャンスがあれば挑戦していきたいです」
鈴木がスペインで吸収したことを柏に、そして日本サッカーにどのように落とし込んでいくのか、実に興味深い。
(FOOTBALL ZONE編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)