悪童が悪童を呼ぶ カッサーノとバロテッリという12年欧州選手権準優勝2トップは実現するか

サンプドリアの名物会長がタッグ結成に執念

 悪童と呼ばれて久しい男が、サッカー界最大の問題児を呼び寄せようとしている。
 サンプドリアに新加入した元イタリア代表FWアントニオ・カッサーノが、リバプールで行き場を失っているFWマリオ・バロテッリに対し、サンプドリアへ加入するようにメッセージを送っているという。サンプドリアの本拠地ジェノバの地元紙「Il Secolo XIX」が伝えている。
 カッサーノとバロテッリは、2012年の欧州選手権で共に戦い2トップを組んだこともあるコンビ。実力的にもピッチ外の話題性も含め、実現すれば今季のサンプドリアで大きな目玉になることは間違いない。カッサーノは、バロテッリにサンプドリアのユニフォームを着せるために活発にピッチ外での勧誘活動を続けているという。
 また、それに呼応するかのようにクラブ側もバロテッリ獲得へ向け、代理人のミノ・ライオラ氏と新たにコンタクトを取ったと伝えている。映画プロデューサーを本業とするサンプドリアのマッシモ・フェレーロ会長はバロテッリを高く評価している上に、自身も表に出るのが大好きな“派手好き”で有名だ。再三にわたってバロテッリ獲得について言及し、壮絶な執念を見せている。
 最終的には、バロテッリの600万ユーロ(約10億円)とも言われる年俸を、現所属のリバプールと合わせてどのように負担していくのかという交渉が鍵を握ることになりそうだ。サンプドリア側は、リバプールに70パーセントから75パーセントを負担してもらわなくては獲得が難しいと同紙は見立てている。一方、英地元紙はリバプールは年俸の6割の負担には応じると報じている、残り2週間で、どのような決着が着くのかは注目だ。
 リバプールでほぼ戦力外という扱いを受けているが、練習場をセグウェイで散歩しているだとか、ツイッターで謎めいたメッセージを投稿するなど、ピッチ外での存在感は失っていない。“先輩悪童”ことカッサーノの誘いで、バロテッリの心は動くのだろうか。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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