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絶大な寛容性を示す岡崎 人種差別発言男に「彼は謝罪し、罰を受けた」
初得点にも満足せず「僕の目的はスコアラーになること」
豊富な運動量でピッチをところ狭しと駆け回り、攻守両面で貢献するプレーは岡崎のストロングポイントの一つだ。しかし、現在はあくまで得点を取ることに集中力を注いでいるという。
「守備でも貢献できると思っている。でも、僕の目的はスコアラーになること。得点しなければ認めてもらえない」
得点シーンは2トップを組んだヴァーディのお膳立てから生まれた。ドイツからイングランドへと環境が変わったことで、岡崎の意識にも変化が生まれているようだ。
「ジェイミーからもクロスは完ぺきだったよ。プレミアリーグに来る前の僕だったら、あれはトラップしていたかもしれない。でも直感的にこのレベルでは素早くシュートしなければいけないと感じた。だからボレーで狙ったんだ」
開幕戦から岡崎と2トップを組むヴァーディは7月末のレスター市内のカジノで東アジア人と思わしき男性客に人種差別的用語「ジャップ」を連発したとして社会問題になっていた。即座に謝罪の声明を発表した英代表はレスターからは高額な罰金と人種差別に対する啓発の授業を受けることを命じられていた。このスキャンダルについて岡崎が改めてコメントを残している。
「僕が何か言われたわけじゃないから、ジェイミーの件についてコメントするのは難しい。僕はその場にいなかったから、どんな意図や思いで言葉を使ったのかは判断できない。僕に分かることは、彼は謝罪し、罰を受けたということ。今はもうフットボールに集中している。個人的にはジェイミーといい関係を築けていて、彼とはいつも笑い合っているよ」
優等生の発言でクラブが沈静化に必死になっているスキャンダルに波風を立てないようにする細やかな配慮と、謝罪した同僚に対する寛容な姿勢を、侍ストライカーは示している。
明るい性格で常にチームメートから愛されてきた岡崎。それは清水でも、シュツットガルトでも、マインツでも、イングランドでも変わらない。ドイツ、そして日本代表で得点を決め続けてきたストライカーは同僚と良好な関係を築きながら、イングランドの地でもいぶし銀の輝きを放とうとしている。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images