岡崎を見守るレスターOBが証言 侍ストライカーが現地で喝采を受ける理由
「他のところでの貢献。そういうプレーを向こうの人は拍手する」
12年2月に浦和へ移籍した阿部だが、「移籍してから気になって結果を見ていたけど、オカが移籍したことでさらに気になる」と、レスターの状況は常に気に掛けていたという。サンダーランドに勝利した開幕戦も映像でチェックしていたそうだ。そして、岡崎のプレー振りについて、こう語った。
「監督が変わった中でも、自分の良さとできることが分かっている。それをゲームで全力でやっているのは、開幕戦を見てもそう思った。開幕戦、ゴールはなかったけど他のところで貢献していた。そういうプレーを向こうの人は見ていて、拍手をしてくれる」
岡崎の献身的なプレーが、イングランドの目の肥えたサポーターからは評価されるはずだと実体験をとおして語っている。レスターのクラウディオ・ラニエリ監督もハードワークとチームワークを重要視していて、ウェストハム戦後の記者会見でも「サッカーは11人全員でやるものなんだ」と強調していたが、レスターの“先輩”も岡崎のハードワークを高く評価していた。
そして、今でも阿部にとってレスターは大切なクラブになっている。岡崎をとおして阿部が浦和で活躍していることが伝わり、阿部から岡崎にレスターの情報を伝えたこともあったそうだ。国境を超えて、先輩と後輩の間にはホットラインがある。
浦和は16日に湘南と対戦し、1-0で勝利した。セカンドステージは苦戦しているが、年間の順位では首位を奪還した。「自分のいたチームで知っている選手が活躍するのは、刺激をもらえる」こう語る阿部はキャプテンとしてボランチでフル出場。チームの勝利に大きく貢献した。
「これでオフのときに向こうに遊びに行く口実ができたかな」と笑った阿部はお互いにいい報告をしたいし、オカをとおしてレスターの人たちに良い報告をしてもらえれば」と語った。岡崎の活躍に刺激を受け、浦和のタイトル獲得に向けて意気込みを新たにしていた。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images