大量失点のサウサンプトン吉田の叫び 「コンパクトに、ソリッドに、知的に」
エバートン戦は2失点目を献上で最低評価の屈辱
サウサンプトンの日本代表DF吉田麻也が0-3と完敗に終わったプレミアリーグ第2節エバートン戦の屈辱を振り返り、反省の言葉を並べた。
4シーズン目となるプレミアの舞台に挑んでいる男の顔には笑顔はなかった。
「今季最初のホームゲームでこのような結果は誰も予想していなかった」
2-2で引き分けたニューカッスル戦に続き、2試合で5失点というふがいない結果に吉田は肩を落とした。
エバートンの強力な攻撃陣を前に、昨季失点数リーグ2位(33)の堅守を誇ったサウサンプトンの守備は崩壊した。エバートンのベルギー代表FWロメル・ルカクには強烈なヘディングと得意の左足のシュートを決められ、前半だけで2点のリードを許した。とりわけ、2点目のシーンは吉田がルカクにボールを奪われる失態から失点した。
「2点目は僕のミスから簡単にゴールを与えてしまった。エバートンにはやりたいようにやられてしまった。今日は彼らが勝利に値した。僕らはボールは支配を支配したが、自分たちのサッカーを見せることはできなかった」
失点に直結するミスをしたことで、吉田に対する現地の評価は厳しいものになった。英地元紙「デイリー・メール」では、選手では両チーム通じてただ一人「5」という数字を付けられた。チームを勝利に導けなかったサウサンプトンのロナルド・クーマン監督と共に、この試合の最低評価を下されている。エバートンは2得点でマン・オブ・ザ・マッチのルカクが「8.5」とされたのをはじめ、10人の選手が「7」以上という評価の中で、日本代表の守備を支える吉田にとっては屈辱の結果となった。
それでも、リーグは始まったばかり。昨季も開幕から2試合は1分け1敗というスタートだったが、その後のリーグ戦9試合で8勝1敗というハイペースで白星を重ねた。吉田は一時は首位争いを演じた昨季の再現のためにもチームに奮起を促した。
「(エバートン戦の)後半はいい戦いができたけど、それでは遅かった。木曜日(20日)にはヨーロッパリーグのプレーオフもある。僕らは目を覚まさなければいけない」
吉田はさらなる成長の必要があるとも主張している。
「無失点で乗り切ることが必要。よりコンパクトに、そしてフィジカル的にも戦術的にもよりソリッドに戦う必要ある。知的に戦うことも求められる。多くの面で改善が必要だ」
吉田が所属するサウサンプトンはELのプレーオフでデンマークのFCミッティランと対戦する。欧州カップ戦への参加で昨季以上にハードな戦いが待ち受ける。チームにはセンターバックの補強を求める声も止まないが、プレッシャーのかかる中、勝利で昨季の勢いを取り戻したいところだ。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images