武藤デビュー戦は不完全燃焼 見せ場少ない12分間に「結果を残さないと」と猛省

ほろ苦い船出

 希望に満ちた挑戦は、ほろ苦い船出となった。ドイツ1部マインツの日本代表FW武藤嘉紀は15日、インゴルシュタットとのリーグ開幕戦で途中出場し、ブンデスデビューを果たした。この日は、1日の練習試合で右膝を痛め、ベンチスタートとなった。今季昇格した格下相手に先制点を許す苦しい展開の中、後半33分から1トップに入った。だが、チームはそのまま0-1で敗れ、自身もシュートは0本に終わるなど、不完全燃焼に終わった。

「失点してチームの勢いもなくなっていたので、自分が何とかしてやろうという気持ちはあった」

 闘志をみなぎらせ、ピッチへと足を踏み入れた武藤。そのファーストプレーは、自らの「持ち味」と語るワンプレーだった。「僕の武器は攻守にハードワークできるところ」という男は、前線から激しくチェイスしてボールを奪いに行く。ファウルこそとられたが、うつむき加減のチームをプレーで勇気付けた。さらに、同35分には、左サイドでボールを受けると、強引な突破から一人をかわし、スタジアムを湧かせた。

 ただし、見せ場はここまでだった。

「あの1回ぐらいしかボールに触れていなかった。時間はあったから、もう少し落ち着いて攻めきりたかったですけど」

 そう言って言葉を詰まらせた武藤。その後、焦るチームは長身DFレオン・バログンを最前線に配置し、パワープレーを選択。頭の上を次々とボールが越えていく展開にほとんど、ボールを触ることすらなかった。

 

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