別世界からのアシスト 米国で感動を呼び起こすピルロの芸術性

DCユナイテッド 戦でFWビジャの決勝弾を完璧にアシスト

 アメリカに降り立ったマエストロが、柔らかなシルキータッチのパスでサッカーファンを魅了している。今夏にアメリカMLSのニューヨーク・シティFC(NYFC)に移籍したイタリア代表MFアンドレア・ピルロが、13日のDCユナイテッド戦で芸術的なアシストを記録し、チームを勝利に導いた。
 1-1の同点で迎えた後半35分、ピルロは中盤のハーフライン付近で相手のパスをカットすると、ゆっくりと右方向へドリブル。相手2人を引きつけると、その間から前線の元スペイン代表FWダビド・ビジャへ向けてフワリと浮かせたパスを送った。
 右足のインフロントで放たれて緩やかに左へカーブしながら飛んだボールは、DCユナイテッドの2人のセンターバックの間でバウンド。相手の右サイドバックと右のセンターバックの間に走り込んだビジャが、左足でゴールを射抜いた。まさに、ピンポイントのパスで2-1と勝ち越すゴールをアシスト。その後1点を追加したNYFCは、3-1の勝利を収めた。
 試合後のピルロは「僕は前半に相手のゴールにつながったミスパスを取り戻さなくてはいけなかったんだ」と、自身のパスがカットされて相手の先制点につながったシーンを悔やみ、それをゲーム中に取り戻したかったんだと語った。そして、「ビジャの動きが本当に素晴らしかったから決まったゴールだ」と、殊勲の決勝ゴールのビジャを称えた。
 また、ジェイソン・クレイス監督は「あのアシストは、別世界のものだ」と驚きの表情で絶賛。チームに加わったマエストロが見せた芸術的な曲線に心を奪われていた。
 インテル、ミラン、ユベントスと北イタリアの名門クラブを渡り歩き、新たな挑戦の場をアメリカに求めたピルロ。その右足から放たれる美しいパスで、MLSに新しい歴史を刻もうとしている。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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