そして、話題は新しい「10番」であるフランス代表MFポール・ポグバについてのものになった。
「ポグバについてだって？ 彼はユーベの新しいリーダーになれる存在だ。ユーベの10番をつけるにふさわしい能力を持っている」
　自身が率いていた当時は、元イタリア代表FWアレッサンドロ・デルピエロがエースナンバーを背負ってきた。トップ下にはポグバと同じフランス人MFのジネディーヌ・ジダンが君臨し、チームの骨格を成してきた。ポグバには、そういったクラブのレジェンドに肩を並べるだけのポテンシャルと能力が備わっていると、太鼓判を押している。
　一方で、自身が信頼を寄せてきたデルピエロに関しては、「デルピエロにはユーベという家に帰ってきてほしいんだ」と、心配を寄せている。現役続行か引退かの狭間にあり、現状では引退に傾いていると見られているファンタジスタに対し、ユベントスが何らかのポストを用意することを望んでいるようだ。
　そして、セリエAの全体を見渡すと「ローマはユベントスに迫ってきているだろう。インテルにはまだまだ時間が必要だが、フィオレンティーナには好奇心が掻き立てられる。ミランは移籍市場で良い動きを見せているのではないか」と評価した。
　ユベントスでトヨタカップを制し、イタリア代表監督として2006年のドイツワールドカップを制覇。世界で初めてクラブと代表の双方で世界一を獲得した名将は、自身の名声を確立したイタリアの名門チームに対し、今も愛情を持って見守っているようだ。