Jリーグのスタジアム規模は適正なのか? 最新データが紐解く…最大の鍵は「満員感」
「スポンサー受けが悪い」という空席、満員のスタジアムが生み出す相乗効果
その他の下位クラブは横浜F・マリノス、北海道コンサドーレ札幌、鹿島アントラーズ、アルビレックス新潟、浦和レッズといずれも2002年日韓ワールドカップ(W杯)で会場となった巨大スタジアムばかりだ。こうした現状を踏まえ、九州産業大学の准教授である福田拓哉氏は次のように指摘した。
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「米国のMLS(メジャーリーグサッカー)はかつてNFL(アメリカンフットボール)のスタジアム(6~7万人収容)を使用していた時はガラガラだった。そこで再スタート(1993年)にあたり、2~3万人規模のスタジアムを新設した」ことで活気を取り戻したと説明。同じようにユベントスは、90年イタリアW杯で使用した6万人収容のトリノのスタジアムを4万人規模に改修して再スタートを切り、アクセスは決して良くないものの動員数を伸ばしてタイトルを獲得した。
同じことはイングランドのプレミアリーグにも当てはまる。満員のファン・サポーターが醸し出す臨場感が独特の雰囲気を生み出している。しかし大箱のスタジアムは空席が目立つと「スポンサー受けが悪い」ため広告収入が減少。「サポーターも臨場感を感じない」ため観客動員が伸びない。これなどは広島が典型的な例ではないだろうか。そして「選手のやる気も違う」と新潟の選手のコメントを紹介しつつ、スタジアムの適正収容人数の重要性を指摘した。
六川 亨
1957年、東京都生まれ。月刊サッカーダイジェストの記者を振り出しに、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任。01年に退社後はCALCIO2002、プレミアシップマガジン、サッカーズ、浦和レッズマガジンなどを創刊して編集長を務めた。その傍らフリーの記者としても活動し、W杯や五輪などを取材しつつ、「サッカー戦術ルネッサンス」(アスペクト社)、「ストライカー特別講座」、「7人の外国人監督と191のメッセージ」(いずれも東邦出版)などを刊行。W杯はロシア大会を含め7回取材。現在は雑誌やウェブなど様々な媒体に寄稿している。