名手イニエスタは「全く崩れない」 旧知の相棒が明かす、希代のゲームメーカーの極意

「10年経っても彼の走る姿勢は全く崩れていない」

 余談ではあるが、イニエスタが9月7日に自身のインスタグラムに掲載していた、リハビリ中の様子を捉えた写真について、エミリに尋ねてみる。その写真の中で二人は驚くほど同じフォーム、同じ姿勢でランニングを行っていたからだ。エミリは取材中で初めて表情を崩し、そこに隠された秘密を教えてくれた。

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「08年に、アンドレスが怪我をした時も写真を撮ったのですが、その時の私たちも今回と全く同じ姿で写っていました(笑)。実は、私の父は陸上選手で、私自身、走ることについてはサラブレッドだと自負しています。スポーツにおいて、走るフォームというのは非常に重要で、プレーを後押しするものだと言えます。その私と同じ走り方をアンドレスがしていて、しかも、10年経っても彼の姿勢は全く崩れていない、と。そのことが意味することは言わずもがな、お分かりいただけると思います」

 時を経ても、トップパフォーマンスを発揮するための肉体を維持し、それを最大限に活用してピッチで躍動する。その「変わらない」姿にこそ、イニエスタの凄さがある。

[PROFILE]
エミリ・リカルト/2008年、名将ペップ・グアルディオラに請われてバルセロナの理学療法士に就任。2009年夏から翌10年4月までの期間に4回負傷したアンドレス・イニエスタの復帰を支えた。2013年に退団し、その後スペイン代表のフィジカルコーチなどを担当。イニエスタの神戸加入とともに来日し、スポーツパフォーマンスアドバイザーを務める。

(高村美砂 / Misa Takamura)



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