湘南×RIZAPの全貌 チーフトレーナーが語る「結果にコミットする」革新的プロジェクト
主将・高山も成果を実感「身体の使い方、走りのフォームとかが良くなった」
ダイエットとは異なり、選手たちはもともとアスリートのため、その効果を短期間で目に見える部分に反映させることは難しい。しかし週に1回、1時間~1時間半の個別トレーニングを行っているMF秋野央樹は、目的意識が定まったことは大きいと話す。
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「これまでもトレーニング自体はしていましたが、どういう目的でやるか明確ではありませんでした。例えば、スクワットはこういう目的でやるんだ、デッドリフトはこのためにやっているんだ、と意識してやるのとやらないのでは全く違う。なんのためにやっているか確認しつつ、取り組めるのは意味があると思っています。メニューは体を大きくとか、筋肉を隆々にするのではなくて、“体の使い方”が一番のメインですかね。初速部分、初めの一歩を意識していますが、始めて3カ月目、今までの基礎から応用編に取り組んでいこうと思っています」
また、スピードと走力を生かしたスタイルの高山も、少しずつ変化を感じているという。
「僕は力強い速さを上げていきたいと言っていました。正直、身体の“どこ”とは自分でも明言できないんですけど、身体の使い方、走りのフォームとかが良くなったという手応えはあります。管野さんは選手の感覚に近い存在なので、時間があればトレーニングしてもらっている光景をよく見かけるし、個々が自分の体の使い方を分かってきたかな、と」
プロジェクトを始動するにあたっては、全選手がスピードやフィジカルレベルのテストで数値を測ったという。今後は定期的にデータを収集するなかで、「過去の自分」と「現在の自分」を比較してどうなっているかを分析し、次のステップを見据えることになると管野氏は語る。
「スポーツでは常に同じ成果を得るのが難しいです。例えば前回は100点のプレーができたけど、前回の100点と全く同じプレーを出せるかは確約がない。そのなかで、パフォーマンスの再現性を高める方法の一つがデータになります。なぜパフォーマンスが悪いのか、どうして良かったのかをしっかりと可視化できて、前回の良いプレーを再現化する強みが生まれると思うので、私が今やっているトレーニング、データ、食事、普段の練習、試合の結果を全部紐づけていくと、いろいろなものが見えてくるはずです。
日本人選手は体の中心部や、上の方をもう少し上手く使えると、外国籍選手のようなパワフルさや球際での伸びが出てくると思います。サッカー界ではいわゆる体幹トレーニングやお尻周りのトレーニングはトレンドですが、『体幹が大事』という言葉だけが独り歩きすると、アプローチが偏ってパフォーマンスが上がっていかない。体幹だけとっても、選手たちには3~4つの鍛え方を提示して、自分に足りない部分はどこなのか考えたうえでやろう、という話はしています」