ドイツが“ゴールの神”が宿るアレナ・フォンチノバでポルトガルを粉砕!! ミュラーが2大会連続得点王へ向け好発進

試合を決めたポルトガルDFペペの軽率な行動

 ここでポルトガルにアクシデントが発生する。28分にアウメイダが負傷退場し、エデルが投入される。ドイツの2点目が決まったのは、その直後のことだった。右サイドのコーナーキックをトニクロースが正確に上げると、マッツフンメルスが頭でたたき込んだ。ドイツが2-0として勝利に大きく近づく。

 試合の行方を決定づけたのは、37分に起こったペペの退場劇だ。ボールコントロールにもたついたところをミュラーに寄せられ、伸ばした手が顔に当たる。倒れ込んだミュラーに対し、ペペは頭突きを見舞った。キレたときは手がつけられず、レアルマドリードで同僚のカシージャスに「クレイジー」と言われた男は、軽率な行動で勝利の可能性をつぶしてしまった。

 もはや、ポルトガルにドイツの攻撃にあらがう術はなかった。前半のアディショナルタイムには、ミュラーがドイツの3点目を奪う。ポルトガルDFブルノアウベスがクロスをクリアしようとするところに足を出してカット。こぼれたボールを素早く左足でふり抜いた。

 前半の時点でドイツの勝利は確定的になったが、“ゲルマン軍団”は最後までペースを落とさない。78分、交代出場したアンドレシュールレのクロスをGKが弾いたところに詰めていたのはミュラー! 前回大会では5ゴールで得点王に輝いた。初戦でハットトリックを達成した“W杯に強い男”は、どこまで得点を伸ばせるか。

 ボールを持っていない選手が常にアクションを起こし続けていたドイツ。個々の選手による単発の攻撃に終始したポルトガル3日前のオランダ対スペイン(5-1)は、戦術的な相性がスコアに現れたが、この試合では両者のチーム状態の違いが4-0というスコアとして浮かび上がった。

【了】

北健一郎●文 text by Kenichiro Kita

  

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