ドイツが“ゴールの神”が宿るアレナ・フォンチノバでポルトガルを粉砕!! ミュラーが2大会連続得点王へ向け好発進
ファーストチャンスはポルトガルだった。5分、自陣で奪ったボールを左サイドに素早くつなぐと、パスを受けたクリスチアーノ・ロナウドはウーゴ・アウメイダへと送る。だが、アウメイダのシュートはGKノイアーの正面に飛んでしまう。
6分にもポルトガル。ロナウドがゴールまで30メートルの距離から右足を振り抜く。8分には、フィリップ・ラームからミゲウ・ベローゾがボールを奪うと、ショートカウンターを発動。ロナウドがドリブルで持ち込んで左サイドの角度のないところからシュートを放つ。だが、またしてもノイアーの壁が立ちはだかった。
3つのチャンスをつくったロナウドだが、5月24日のCL決勝で負ったけがは癒えていなかった。ポルトガルには他にもレアル・マドリードでCL決勝を戦ったコエントランとペペがいる。ドイツにもレアル・マドリード所属のサミ・ケディラこそいるが、彼はけがによる長期離脱で体調を整える時間があった。スタメンに名を連ねたバイエルンの6選手は、幸か不幸かCLはベスト4で敗退している。両者には技術・戦術面よりも、コンディション面で決定的な差があったのだ。
“ポルトガルの時間帯”は、ものの10分で終わった。そこからは、ドイツが完全にゲームを支配する。ドイツのヨアヒム・レーブ監督は初戦で“0トップ”と呼ばれるシステムを採用した。
最前線にトーマス・ミュラー、右サイドにメスト・エジル、左サイドにマリオ・ゲッツェ。純粋なCFを置かず、最前線の選手が空けたスペースを入れ替わり、立ち替わり利用する。連動性と戦術理解力が求められるため、代表チームでは機能させるのが難しいと言われているが、ドイツの完成度は極めて高かった。
11分、ペナルティーエリア右角で縦パスを受けたエジルがヒールで落とす。これをミュラーがワンタッチで縦パス。エリア内でパスをもらったゲッツェが素早くターンしようとしたところを、ポルトガルのジョアン・ペレイラが手を使って抑え込んだ。
ブラジルとクロアチアの開幕戦でもわかるように、今大会は手を使ったファウルに厳しい。セルビア人のミロラルド・マジッチ主審は迷うことなくPKをとった。このPKをミュラーが左隅に突き刺し、先制点を挙げた。