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岡崎同僚の人種差別発言で波紋 人権擁護団体がレスターに抗議
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英国で社会問題化する人種差別
日本代表FW岡崎慎司の同僚であるレスターのイングランド代表FWジェイミー・ヴァーディが先月、人種差別用語の「ジャップ」を連発した問題で、イングランドの人権擁護団体が抗議していることが明らかになった。英地元紙「ガーディアン」が報じている。
レスターは、今季開幕戦となったサンダーランド戦で4-2と勝利を挙げた。だが、地元紙「サン」は、その先制点を挙げたストライカーがレスター市内のカジノで東アジア人と思わしき男性客に向かって人種差別用語を連発した動画を公開。これが大きな社会問題となっていた。
イングランドの反人種差別団体「キック・イット・アウト」のディレクターのロアジン・ウッド氏は、「シーズンの開幕週で本当に残念なこと。祝福すべき時期なのに、この問題が影を落としてしまう。フットボール選手はどんなレベルでプレーしていようが、ピッチ内外で社会の模範とならなければいけない。彼らの行動はこの国の数百万のファンに影響を与える。もしも、疑惑が立証されたなら、深刻な事実と認識せざるを得ない。クラブは即時の調査と速やかな対処を予想する。我々はすでにクラブとコンタクトを取り、彼らの反応を待っている」と語っている。
28歳のヴァーディの愚行に対して、すでにレスター側に抗議の連絡を済ませていることが明らかになった。ヴァーディは今年6月7日の親善試合アイルランド戦でイングランド代表に初招集され、デビューを果たしていた。
すでに「僕は心の底から自分が引き起こしたすべての侮辱を謝罪したい。後悔すべき失敗で、自分が全責任を背負っている」と反省の弁を述べている。
フットボールの世界では人種差別撲滅に対する動きを進めてきた。レスターのオーナーはタイ人で、同僚として日本代表の岡崎も所属している。2カ月前にはタイでの人種差別的な動画が流出し、ナイジェル・ピアソン前監督の息子であるジェームスら3選手が解雇されていたばかり。
アジア人オーナーのクラブでは、こうした人種差別問題が続いており、身から錆が出た格好となったヴァーディにも重いペナルティーが課される可能性が高い。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images