興梠が抱える自責の念 4年ぶりの代表復帰は苦い思い出に
悔しさと課題を胸に帰国
4年ぶりの日本代表復帰は、苦い思い出となってしまった。背番号「10」を背負って東アジアカップに臨んだ興梠慎三(浦和)は、9日の中国戦では1-1で迎えた後半16分から出場した。チャンスには絡んだが、「シュートも打っていないから…」と、チームを勝利に導けなかったことを悔やんだ。
試合後の興梠は大会全体を振り返り、「チャンスは時間的に一杯もらっていたし、それをものにするかしないかは自分自身だった。結果を出したかった。代表でまだ得点していないので決めたかった」と、無得点で大会を去る無念さを口にした。「自分は代表に縁がないのかな」と弱気につぶや くなど、精神的にもかなり厳しい経験となった。
メンバー発表の記者会見時に、バヒド・ハリルホジッチ監督は「非常に面白い選手。中央でもサイドでもプレーできる」と評価されていた。その一方で、興梠は「浦和で1トップをやってきているので、そのポジションにはこだわりたい」と意気込んでいた。それに応えるかのように、今大会では全ての試合で1トップで起用された。それだけに、ゴールで起用に応えられず、悔いを残した。
それでも、「久々の代表でピッチに立てたのは喜び。これがもっと結果として付いてくれば、楽しかった。足りないところが見えたから、チームに戻って頑張りたい」と、興梠は必死に前を向いた。「フィジカル面も足りないと思う。つなぎの部分はある程度でき るけど、最後のゴールを決めるところで貪欲さも必要」と、自身の課題が見える大会にもなった。
この悔しさは、Jリーグで結果を残し続けて次の日本代表活動でチャンスを得て晴らすしかない。「足りないところが見えたから、チームに戻って頑張りたい」という興梠は、無念さと課題を胸に帰国する。4年ぶりに日の丸を胸に戦った経験は、興梠に新たな活力を生んでくれるはずだ。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images