天才の挫折 大会無得点の宇佐美が無力感露わに 「力の無さを感じた」
前半にバー直撃弾もその後沈黙
J1得点王は、大会無得点のまま武漢を去った。日本代表FW宇佐美貴史(G大阪)は、8日の最終戦となった中国戦でもネットを揺らすことができず。日本代表は男女通じて大会史上初となる最下位に沈む屈辱を味わった。
試合直後、横浜FCカズがかつて背負った背番号「11」を託された男は猛省するしかった。
「勝ち切れなかったことがすごく残念。ああいう局面で自分が得点を取れなかったので、力の無さを感じた」
宇佐美が語った場面は前半4分。武藤雄樹(浦和)のコーナーキックがファーサイドに流れたところを拾うと、得意の左45度から右足でカーブを掛けたシュートでゴールを狙った。だが、強烈な弾丸は惜しくもクロスバーに弾かれてしまった。
この日は、序盤から積極果敢にゴールを狙ったが、時間の経過とともにゴール前へと顔を出す機会は減っていった。そして、後半は沈黙した。宇佐美は厳しい口調でこう続ける。
「ボールを保持しながら、速攻の部分以外にも遅攻の質を上げようとピッチ内で話していた。そういった部分は良くなったが、それをどう得点につなげるかが足りなかった」
日本代表の新たなエース候補として期待を集める男は、今大会に大きな悔いを残した。
「得点を取るという意味では、全く結果を残せていないので、自分自身のクオリティーの低さを痛感した。もっと、もっとああいう局面で得点を取れる選手になっていかないといけない」
バヒド・ハリルホジッチ監督から体脂肪の多さを指摘され、食事面の改善に取り組むなどピッチ外の努力も続けている。日本のエースとなれるのか。沈黙の天才は必死に前を向いた。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images