じゃない方からの卒業 初代表で武藤がつかんだ新たな成長への手応え

笑顔なき代表デビュー

 代表デビューから2戦連発のMF武藤雄樹(浦和)に笑顔はなかった――。
 9日の東アジアカップ最終戦となった中国戦。0-1のビハインドで迎えた前半41分にDF米倉恒貴(G大阪)が、左サイドから入れたグラウンダーのボールに右足を合わせて同点ゴール。大会通算2得点ながら、同大会の得点王にも輝いた。
「自分の良さが一つ出たと思うし、そこまでみんながつないでくれて、最後にいいパスをくれたので決めることができて良かった」
 自身のゴールをそう振り返った一方で、武藤が悔やんだのは、柴崎岳(鹿島)との交代間際に迎えたビッグチャンスを決め切れなかったことだ。後半25分に前線からのプレスでボールを奪った日本は、右サイドでフリーになった武藤にパスを通す。そのまま中央へドリブルで進出した武藤は相手GKと1対1になったが、ニアサイドを狙ったシュートはGKの腕に弾き出された。
「最後、みんなで勝利して帰ろうと言っていたので、勝てずに悔しい。最後のチャンスの部分で決め切らないと勝てないし、僕にも最後にチャンスがあった。やっぱりゴールを決めるという部分だと思う」
 事実、1-1のスコアで迎えたこのビッグチャンスを決めるかどうかは、大会の最後で勝利を手にするか、勝ち点1に終わるのかの大きな分岐点となっていた。

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