ハリルジャパン屈辱の東アジア杯史上初最下位 中国戦ドローで一勝も挙げられず
レッズ武藤の代表2得点目で同点に
ハリルジャパンは9日、東アジアカップ中国大会で最終戦となる中国戦に臨み、1-1の引き分けに終わった。台風13号の影響で雨中の激闘となった日中戦は先制点を奪われながらも、日本が追いつく展開となった。終盤は、日本がボールを支配したが、逆転のゴールは遠く、日本は今大会未勝利に終わった。
前半10分に中国FWウー・レイのミドルシュートで先制点を許したが、前半41分に浦和MF武藤雄樹がスライディングシュートで同点に追いついた。前半は1-1で折り返した。
バヒド・ハリルホジッチ監督が日本のスタメンには代表初出場の丹羽大輝、東口順昭、米倉恒貴のG大阪トリオを抜てき。ここまでの2戦でセンターバック(CB)を組んだ槙野智章(浦和)、森重真人(FC東京)、遠藤航(湘南)といったCBタイプの選手が並び、バヒド・ハリルホジッチ監督の起用法が注目された。試合が始まると、丹羽は右サイドバック(SB)に、左SBには米倉が日本代表デビュー。3戦連続スタメンのU-22日本代表主将の遠藤は、これまでの2戦と違ってボランチで起用された。
大会初勝利へ意欲的な立ち上がりを見せるハリルジャパンは、前半4分に早くも惜しいシーンをつくった。初戦で代表初ゴールの武藤雄樹(浦和)のコーナーキックがファーサイドに流れたボールを拾った宇佐美貴史(G大阪)が、得意の左45度から右足でカーブを掛けたシュートで狙った。だが、惜しくもクロスバーに弾かれた。
一方、開催国の中国も鋭いカウンターで日本ゴールを脅かす。7分には宇佐美から武藤への縦パスをカットされると、一気に中央を突破してゴール前へ。決定機になりかけたが、丹羽が体を寄せて事なきを得た。しかし10分、ペナルティーエリア内で中国MFウー・シーにポイントを作られると、後ろに流したボールを走り込んだFWウー・レイが右足でミドルシュート。丹羽が体ごと飛び込み、代表初出場のGK東口順昭(G大阪)も懸命に手を伸ばしたが、ボールは日本ゴールに突き刺さった。日本は、早い時間帯で0-1とビハインドを背負った。
共に縦に速いサッカーを志向する対戦とあって、オープンでやや忙しいゲームが続いていった。その中で日本はボールをつなぎながら攻撃を図るが、なかなかペナルティーエリア内には侵入させてもらえない。その中で26分、中国が自陣から放った1本のロングボールでFWウー・レイが抜け出してGKと1対1になりかける。だが、ここも全力で戻った米倉が体を寄せて追加点のピンチを脱した。
アタッキングサードに入ってから選手たちの動きが重なる場面やパスの意図が合わない場面が多く、日本は決定機を生み出せない。前半36分に宇佐美が縦パスからバックラインの裏に抜け出し掛かったが、シュートには持ち込めなかった。ボール保持率を高めながらもカウンターで相手に決定機を与える悪癖が顔をのぞかせる試合展開だったが、前半41分に起死回生の一撃が生まれる。
今大会初戦の北朝鮮戦で代表デビュー戦初ゴールを決めた武藤が先発2試合目で米倉からのクロスにスライディングしながら右足でシュート。値千金のA代表2得点目で反撃ムードを作った。