アジアでの優位性を捨てたハリルジャパン データで浮き彫りになった東アジア杯最下位の真相
現状は生みの苦しみ
W杯直前でアジアと世界の差を痛感してアジア仕様から世界仕様にモデルチェンジしてベスト16という結果を出した岡田ジャパン。一方、アジア仕様のクオリティーを高め、世界に乗り込む方法を選んで惨敗したザックジャパン。
結果は両極端だったが、アジアにおける戦い方は共通し、苦しみながらも両者共に結果を出した。しかし日本代表は、2014年のトレンドとなった「縦への速さ」と「高いインテンシティー」にかじを切った。
北朝鮮戦、韓国戦とのデータは、まさに2014年以降のモデルチェンジの結果がデータとして表れている。
これは「A or B」。つまり、ポゼンションか、カウンターか? という二者択一の結果なのか? あるいは「A and B」、近い将来ポゼッションとカウンターを状況に合わせて使い分けることができるようになるための生みの苦しみのプロセスなのか?
だとすれば、先を見据えて中国戦もこれまで同様の戦い方を選択するはずだと思えた。しかし、指揮官は勝利のために特別な手、すなわちこれまでのストロングポイントを生かすという手を打った。
だが、付け焼き刃のポゼッションは、中国の堅い守りを崩せず、1-1の引き分けに終わった。東アジア杯最下位という屈辱を受け、今後の日本代表はどこへと向かうのか。ピッチに投影されるハリルホジッチ監督のフィロソフィーには、これまで以上に耳目が集まっていくだろう。
analyzed by ZONE Analyzing Team
データ提供元:Instat社
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images