アジアでの優位性を捨てたハリルジャパン データで浮き彫りになった東アジア杯最下位の真相

過去のアジアにおける戦い方

 次に、日本のアジアにおけるこれまでの戦い方を表すデータを見てみよう。

東アジア2015W のコピー(図2)

 アジアでの試合におけるアクチュアルタイム(セットプレーや選手交代、けが人のケア等を除いた実プレー時間)は約50分前後だ。そしてポゼッション率は60%弱となっている。つまり約30分は日本がボールを保持し、約20分は守備に回ることになる。サッカーにおいて主導権を握ることと、相手の対応に回ることの心理面に加味しても、この10分の時間という物理的な差は大きい。日本の技術の高さに対して現時点で可能な対応策として「引いて守ってカウンター」でゴールを狙うのがアジア各国の対日本のセオリーだった。

 日本にとっては、高温多湿の気候や、広範囲の長距離移動といった環境面に加え、対戦相手のカウンター対策、高さ対策というのがアジアの戦いにおける最大の課題だった。

 同時に日本は、アジアにおける優位性がW杯などの「世界」との戦いで生かし切れていないことが、もうひとつの課題となっていた。

 

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