アジアでの優位性を捨てたハリルジャパン データで浮き彫りになった東アジア杯最下位の真相
これまでと異なる指標
ここに、東アジア選手権における日本代表の対北朝鮮戦、対韓国戦のデータがある。
図1のポゼッション率を見ると、北朝鮮との試合ではほぼ互角。しかし、韓国には60%以上支配されている。パスの成功率は、北朝鮮との試合では71%、韓国戦では76%で2試合とも相手の成功率を下回っている。時間ごとに見ると、5秒以下でボールを手放してしまう回数が日本が50回、北朝鮮が41回。15秒〜45秒という時間で見ると日本が66回、北朝鮮が94回だった。45秒を超えるポゼッションは日本が7回、北朝鮮が3回と日本の方が多く、ここで日本は全体のポゼッション率を上げていたことになる。
ポゼッション率のデータを反映するようにカウンターアタックの数は日本26回、北朝鮮が22回、ポゼッションで相手陣内に侵入して仕掛けた攻撃は、日本が62回に対して北朝鮮は72回となった。
同様に、韓国との試合も5秒以下でボールを手放してしまう回数は日本、韓国ともに29回だったが、15秒〜45秒という時間で見ると日本が69回、韓国が95回となった。45秒を超えるポゼッションは日本が1回だけで、韓国が4回だった。
カウンターからの攻撃回数が日本16回、韓国19回、ポゼッションで相手陣内に侵入して仕掛けた攻撃は日本が51回、韓国76回を記録した。結果、日本はシュート8本に対して韓国は15本だった。
試合の結果や戦術の有効性を示すデータではなく、内容を示すデータを出したのは、それがあまりにも過去のアジアにおける日本の戦い方と異なるからだ。