リオ五輪金メダルへ新戦力 なでしこ杉田がミドル弾でアピール成功
北朝鮮戦に続く鮮烈ミドル弾
なでしこジャパンに、来年8月のリオデジャネイロ五輪金メダルに向けた新戦力が発掘された。8日の東アジアカップ第3戦の中国戦後半アディショナルタイムに、MF杉田亜未(伊賀)がゴール前左サイドから冷静に相手GKの位置を見極めてシュートを放つと、ボールはサイドネットに突き刺さった。2-0とリードを広げ、大会初勝利を決定づける貴重なゴールになった。
佐々木則夫監督が「チャレンジなでしこ」と命名した今大会のメンバーの中で、最もアピールした選手が杉田だった。今大会初戦の北朝鮮戦で、一躍脚光を浴びた。金髪に染め上げたベビーフェースは、ゴールから約30メートルの距離から右足をいっせんすると、ボールは一直線にゴール右上に突き刺さった。ベンチで戦況を見守っていた佐々木監督も、思わず「すごい!」と叫んだ一撃だった。
続く韓国戦は出場機会がなかったが、この日の中国戦で再びスタメン起用。後半終了間際にミドルシュートを決めてチーム内で唯一、大会2得点を挙げた選手となった。
セットプレーのキッカーとしても大きな存在感を放った。前半はボランチとしてプレーし、25分にはゴール正面のフリーキックを直接狙った。シュートは惜しくも相手GKワン・フェイのファインセーブに阻まれ、ポストをたたいたが、左サイドにポジションを移した後半20分にも再びFKを直接狙う。これはゴール右上をわずかに外れた。
23歳の杉田は、中国戦を含めてA代表出場が3試合という新戦力だ。神奈川県出身で、中学生までは川澄奈穂美(INAC)や上尾野辺めぐみ(新潟)を輩出した名門・大和シルフィードで力をつけ、大学時代には岡山のFC吉備国際大学Charmeとしてなでしこリーグにも参戦している。2013年にはキャプテンとして母校をインカレ初優勝にも導いた国内では実績のある選手だ。現在は、伊賀の中心選手として活躍している。
先日の女子カナダ・ワールドカップでも、国内合宿のサポートメンバーとして招集されていた。ここにも佐々木監督の期待が表れている。「先輩のプレーを見て勉強になった」と語る貴重な経験を得た杉田は、今度は自身の力でアピールに成功した格好だ。