なでしこジャパン東アジア杯初勝利 終了間際の2得点で中国に意地の勝利

スーパーサブの横山が決勝弾

 後半、佐々木監督は高瀬に代えて菅澤優衣香(千葉)をピッチへ。高瀬は大会前のなでしこリーグのゲームと同様45分間での交代になった。また、中盤の4人を川村と中島のダブルボランチ、右に有町紗央里(仙台)、左に杉田の構成に変化させた。
 中国が圧力を強めた後半立ち上がりの時間帯をしのぐと、なでしこは反撃に出た。同8分、菅澤が自陣からのロングボールに抜け出して左サイドでポイントを作ると、中央に上がってきた中島へつなぎ、中島がミドルシュートを狙った。これは相手DFに弾かれたが、そのプレーで得たコーナーキックをショートコーナーでつなぎ、中島のクロスに杉田が頭で合わせたが枠を外れた。
 同13分、サイドバック起用の京川がフィニッシュに絡む。左サイドを経由した攻撃の中でオーバーラップすると、ペナルティーエリアやや外側から右足を振り抜いた。しかしシュートはGKの正面を突き、セーブされた。続く同15分、この日の流れの中からの攻撃で最大のチャンスを迎えた。右サイドから有町が上げたクロスに、ファーサイドをフリーで駆け上がってきた川村がヘディングシュート。しかし、ボールはポストに弾かれた。続く同16分にも、中島のパスにバックライン裏へ抜け出した菅澤が左足で狙ったが、これも相手GKに弾きだされた。
 足が止まった中国を相手に波状攻撃を仕掛けるなでしこは、同20分に再びセットプレーのチャンスを得た。ゴール前正面約20メートルの位置でFKのチャンスを得ると、前半に続き杉田が直接狙う。しかし、ゴール右上を狙ったシュートは、わずかに外れた。
 直後の同21分には、有町に代えて初戦の北朝鮮戦でゴールを決めた増矢理花(INAC)をピッチへ。佐々木監督は大会初勝利への執念を采配で見せた。開催国ながらここまで2敗の中国はボール際で激しいプレーを見せて日本のリズムを崩しに掛かる。警告も多くなり、なでしこの選手たちが倒れ込む場面も目立ったが、主導権を渡すことなくゲームを進めた。
 中国の攻撃は散発的なものに留まり、セットプレーでもGK山下杏也加(日テレ)を中心に冷静な対応と見せ、無失点でゲームを進めていった。
 
 同38分、日本は田中美に代えて、横山を投入。直後には京川が中央へのドリブルでチャンスメイク。ラストパスを横山がエリア内で受け、交代早々に絶好のチャンスを得た。ここも相手GKの抜群の反応に防がれた。こぼれ球に菅澤が反応したが、これも懸命に体を投げ出した中国守備陣に防がれてしまった。
 
 しかし、再三の攻撃がようやく実を結び、日本がついに均衡を破った。同43分、中島のスルーパスに反応した横山がこれを冷静に蹴りこんで先制に成功。なでしこジャパンが待望の先制点を奪った。同48分には疲れから足の止まった中国の隙をついた杉田がエリア外からのミドルシュートを決めて追加点。杉田は今大会2得点目となった。
 
 そのまま2-0で試合終了。開催国中国との試合で意地を見せたなでしこジャパン。通算成績を1勝2敗とし、3位で大会を締めくくった。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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