なでしこジャパン東アジア杯初勝利 終了間際の2得点で中国に意地の勝利
杉田の強烈FKはセーブされる
なでしこジャパンは8日、中国・武漢で開催されている東アジアカップの最終戦となる中国戦に臨み、2-0で今大会初勝利を飾った。後半43分に、途中出場の横山久美(AC長野)が劇的な決勝弾を決め、さらにアディショナルタイムでも追加点を奪って最終戦で一矢報いた。佐々木則夫監督が「チャレンジなでしこ」と名付けた今大会のチームは、1勝2敗で大会を終えた。試合終了後、これまで沈みがちだった若きなでしこの表情には、安堵(あんど)と笑顔が浮かんだ。
前半、積極的なプレスから主導権を握ったなでしこジャパンだが、チャンスにつながりそうな場面でパスやトラップが乱れ、決定機は生み出せなかった。25分にゴール前正面からのフリーキックを杉田亜未(伊賀)が狙った最大のチャンスは、相手GKのファインセーブに防がれ得点はならず。スコアレスで折り返した。
佐々木監督は第3戦のスタメンに、初戦と第2戦のメンバーをミックスさせて起用。主将の川村優理(仙台)と初戦で豪快ミドル弾の杉田亜未(伊賀)がダブルボランチを組んだ。FWには今大会初スタメンの高瀬愛実(INAC)を起用した。起用法が注目された京川舞(INAC)は、この日も右サイドバックに入った。
立ち上がりから日本は積極的にプレスを掛けて中国の攻撃を寸断するが、奪った後のつなぎでミスが多く攻撃の最終局面には持ち込めない。最初のチャンスは10分、右サイドで川村からのボールを受けた中島依美(INAC)のトラップをハンドとセルフジャッジして足を止めた中国守備陣の隙を突き、クロスに対して田中美南(日テレ)が飛び込んだがわずかに合わなかった。
中国は執拗(しつよう)に日本の右サイドを狙った攻撃を仕掛け、18番のMFハン・ポンにボールを集めた。クロスも多くゴール前に入ったが、田中明日菜(INAC)と村松智子(日テレ)のセンターバックコンビが冷静に対応した。
25分、日本はセットプレーから大きなチャンスを得る。田中美の突破がファウルを誘うと、ゴール前正面からのフリーキックを杉田が直接狙った。壁のないサイドを右足の強烈なシュートが襲ったが、GKワン・フェイが左手一本で弾いたボールはゴールポストに当たって外へ。先制点はならなかった。
44分には田中美が左サイドからドリブルでエリア内に侵入するも、左足で放ったシュートはDFに当たり、GKの手中に収まった。
その後も日本が主導権を握りながらも崩し切れない展開が続き、ジリジリとした時間が流れていった。1分のアディショナルタイムを経て、前半を終えた。