岡崎慎司の挑戦 プレミアリーグ2015-16展望【レスター編】

侍FWの新たな挑戦

 今季、一人の侍ストライカーがイングランド・プレミアリーグに挑戦する。ドイツの地でゴールを量産し、今や日本代表でも不動の地位を築くFW岡崎慎司は、入団会見でイングランドのプレーは子どものころから憧れだったと明かしていた。「何ができるのかを1年間通して見つけたい」と、開幕前から英国の地でのプレーに胸を躍らせている。そんな男が新天地に選んだのはマンチェスター・ユナイテッドでもリバプールでもない。昨季11シーズンぶりにプレミア復帰したばかりの小さなクラブチーム、レスター・シティ(以下レスター)だった。
 
 “フォクシーズ”の愛称で知られるレスターは昨季、前年のチャンピオンシップ(英2部)王者として、久しぶりのプレミアリーグでの戦いに臨んだ。強豪ひしめく世界最高峰のリーグで、昇格組の彼らは当然苦戦を強いられた。UEFAチャンピオンズリーグ制覇の経験を持つ百戦錬磨の元アルゼンチン代表MFエステバン・カンビアッソをインテルから獲得したが、一人のスター選手を加えただけで、勝てるほど甘いものではなかった。
 11月末に最下位に転落すると、そこから4月に入るまでは最下位に沈んだまま浮上のきっかけをつかむことは出来なかった。
 しかし、そこからの巻き返しは驚異的なものだった。第31節のウェストハム戦で勝利したのをきっかけに、ラスト9試合を7勝1分け1敗で駆け抜 けると、降格圏をあっという間に脱した。最終的には14位でリーグ戦を戦い抜いたのだ。
 チームが上昇気流に乗れた要因として、ナイジェル・ピアソン前監督が採用した3-5-2システムへの変更が大きかったのは間違いない。それまでは4-3-3や4-4-2、時には5バックを採用するなど、試行錯誤が続いてた。その中で、見つけた最適解が3-5-2をベースとした戦い方だった。今季就任のクラウディオ・ラニエリ新監督も、前任者の残した遺産を引き継ぐ形で、同じく3-5-2を軸としてプレシーズンマッチを戦っている。

 

page1 page2 page3

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング