香川真司はトップ下「3番手以下」 厳しい評価と創造性乏しきドルトムントの現実

長谷部が示唆したドルトムントに「欠けているもの」

「真司とは、(試合後に)お互いに近況を話しました。ドルトムントでメンバーに入らないのと、フランクフルトで試合に出られないのは次元が違うので。ドルトムントの方が競争は激しいですからね。でも、今日の試合を観れば、ドルトムントのチームに何が欠けているかは、観ている人は感じるだろうし……。彼(香川)も同じように我慢の時かもしれないですけども、お互いに励まし合いました」

 ドルトムント対フランクフルトの一戦が終了して宿泊するホテルに戻ると、フロント係に声をかけられた。

「カガワは出場しなかったね……。でも、BVB(ドルトムントの愛称)は勝ったよ!」

 プロサッカー選手は試合に出場し、明確な結果を残さなければ評価を得られない。“カガワ”がドイツで築いた実績は輝かしいもので、それがこの地における彼への敬愛の念へと結び付いているが、それが過去の話になれば人々の思いは薄れる。もっとも、今の香川に、そんな境遇を受け入れねばならない謂(いわ)れはないとも思う。

 香川にチャンス到来の時は訪れるのか。ドルトムントはフランクフルト戦から4日後の9月18日に、CLグループステージ初戦を迎え、アウェーでクラブ・ブルージュ(ベルギー)と対戦する。

(島崎英純/Hidezumi Shimazaki)



島崎英純

1970年生まれ。2001年7月から06年7月までサッカー専門誌『週刊サッカーダイジェスト』編集部に勤務し、5年間、浦和レッズ担当を務めた。06年8月よりフリーライターとして活動を開始。著書に『浦和再生』(講談社)。また、浦和OBの福田正博氏とともにウェブマガジン『浦研プラス』(http://www.targma.jp/urakenplus/)を配信しており、浦和レッズ関連の情報や動画、選手コラムなどを日々更新している。2018年3月より、ドイツに拠点を移してヨーロッパ・サッカーシーンの取材を中心に活動。

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