香川真司はトップ下「3番手以下」 厳しい評価と創造性乏しきドルトムントの現実
フランクフルト戦で4-2-3-1採用も香川はメンバー外に
しかし、DFBポカールのグロイター・フュルト戦では、2部チーム相手に苦戦して延長戦の末に辛くも勝利し、リーグ開幕戦のRBライプツィヒ戦では戦闘的な相手の逆手を取って4ゴールを奪取したものの、続くハノーファー戦ではアウェーでスコアレスドローに終わった。
ここでリーガはいったん小休止して国際Aマッチウィークへと突入したが、この時点でファブレ監督はなんらかのテコ入れを行おうと考えたようだ。各代表に招集されずチームに残った選手にとってはチャンス到来で、ドルトムントで言えば急きょ加入したスペイン人FWパコ・アルカセル、攻撃的MFの旗頭であるマリオ・ゲッツェ、怪我で出遅れたセントラルMFのユリアン・ヴァイグル、デンマーク人の新鋭FWヤコブ・ブルーン・ラーセン、そして香川などがトレーニングマッチで次々に試された。
香川は9月6日のトレーニングマッチ、3部のオスナブリュック戦で右インサイドハーフのポジションを任されて先発し、2アシストをマークして6-0の大勝に貢献した。しかし中断明けのフランクフルト戦で先発を飾ったのは、オスナブリュック戦で香川がゴールをアシストしたラーセンで、香川はまたもベンチ外を強いられた。しかもファブレ監督は、この試合で4-2-3-1へシステム変更し、現体制で初めてトップ下のポジションを置いたなかで、そこにはロイスを据えたのだった。
この時点ではっきりしているのは、たとえファブレ監督がシステムを変更してトップ下を存在させても、このポジションのファーストプライオリティーはロイスであり、セカンドチョイスはベンチ入りしたゲッツェであろうということ。フランクフルト戦でもベンチ外となった香川は、本来最も輝けるはずのポジションで3番手以下の評価に甘んじている。
島崎英純
1970年生まれ。2001年7月から06年7月までサッカー専門誌『週刊サッカーダイジェスト』編集部に勤務し、5年間、浦和レッズ担当を務めた。06年8月よりフリーライターとして活動を開始。著書に『浦和再生』(講談社)。また、浦和OBの福田正博氏とともにウェブマガジン『浦研プラス』(http://www.targma.jp/urakenplus/)を配信しており、浦和レッズ関連の情報や動画、選手コラムなどを日々更新している。2018年3月より、ドイツに拠点を移してヨーロッパ・サッカーシーンの取材を中心に活動。