逆襲の赤い悪魔 プレミアリーグ2015-16【マンU編】
2季連続の大型補強
マンチェスター・ユナイテッドにとってプレミアリーグ優勝は、目標ではなく、もはやノルマである。2013年、27年間にわたってチームを率いた伝説的な指揮官、“サー”・アレックス・ファーガソン元監督が勇退。そこから、2季連続で無冠に終わった名門を率いるルイス・ファン・ハール監督は、莫大(ばくだい)な補強費を手に大型補強を敢行し、そのノルマ達成のため最強チームの構築を進めている。
昨季英国史上最高額となる約115億円を投じてレアル・マドリードからMFアンヘル・ディ・マリアを獲得。そのほかにも19歳のDFルーク・ショーやオランダ代表DFダレイ・ブリント、コロンビア代 表FWラダメル・ファルカオらに計250億円ともいわれる大量投資を行った。この前年にデイビッド・モイーズ監督(現レアル・ソシエダ)のもとで、リーグ戦7位と屈辱的なシーズンを送っていただけに、クラブは大改革に取り組んだ。
そして昨年に引き続き、今年も潤沢な資金を元に一流選手を次々に補強している。人気銘柄だったフランス代表MFモルガン・シュナイデルランや、ドイツ代表主将のMFバスティアン・シュバインシュタイガー、ファン・ハール監督の教え子だったオランダ代表FWメンフィス・デパイとアルゼンチン代表GKセルヒオ・ロメロ、そしてイタリア代表のホープ、DFマッテオ・ダルミアンらをチームに加えている。
一方で、2013年にプレミア得点王となり、チームをリーグ制覇に 導いたエースFWロビン・ファン・ペルシはチームを去った。期限付き移籍で加入していたファルカオ退団。彼らの抜けたストライカーのポジションや、GKダビド・デ・ヘアの去就が不確定となっている守備陣の層には不安を残すが、戦力の充実度はプレミアでも屈指となっている。クラブは残された獲得資金の全てを注ぎ込み、レアル・マドリードのFWギャレス・ベイル獲得に執心しているといううわさもある。また、バルセロナのFWペドロ・ロドリゲスを熱望しているという話も報じられている。それでも、現実的には主将FWウェイン・ルーニーの負担を軽減できるストライカーや、絶対的支柱が不在のセンターバックなども、補強の望まれるポジションと言えるだろう。