「（コートジボワール戦は）もちろん局面でカバーにいったりとかは、何回か出せたところはあった。だけど、それ以外は、当たりにいって相手がビクともしないことがあった。そこに差を感じた。守備のところを1番みんなには特長やと思われてるんで、そこはしっかり出したいなと思ってる」

　そう言うと、「まあでも」と言ってこう続けた。

「自分の中でも攻撃でも出したいなというのがありますけど」

　山口が最も得意とする形は、高い位置でインターセプトし、そのまま勢いよくゴール前へと飛び出ていくプレーだろう。しかし、その形を出すためには、周囲と呼吸を合わせることも必要だ。長年、同じメンバーでプレーしているクラブとはやはり勝手が違うのは当たり前だ。奪いどころの的が絞れるように、前線からパスコースを限定してくれるFWがいなければいけない。さらに、高い位置取りを可能としてくれる最終ラインからの押し上げも不可欠だろう。

「もっと後ろからラインを高く保てれば良いと思う。僕たちからDFラインに『押し上げてほしい』と言ったりしたい。（初戦も）もうちょっと自分たちからアクションを起こせたら良かったと思う」

　初戦は、守備に奔走した。ただし、欧州クラブが注視する山口の能力はそれだけではない。だから不敵に言い放った。

「もちろん僕らボランチが点取ることができればチームが楽になるし、チャンスがあれば狙っていこうと思ってます」

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文　text by Soccer Magazine ZONE web